全部つじつまは合う「なぜデベロッパはプレイヤーに対しプロモーションを見ることに対する報酬を与えるべきなのか」

AppLovinのマネージング・ディレクター,Johannes Heinze氏がモバイルスペースにおけるゲーム内広告が逃した機会について議論する。

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 マイクロトランザクション(小額課金)の効果的な活用についての議論は,モバイルゲーム業界では長きにわたって熱く続いており,キャンディークラッシュ,クラッシュ・ロワイヤル,Pokemon Goなどを見ても,多額の収入を得るための最も確実なルートであると考えるのは簡単だ。だが,アプリ内での購入がデベロッパにとってもうかるのは自明である一方で,ほかにも(まるで株式の配当を払ってくれるかのような)同様の収入源がある。

 広告というコンセプトは,数百万人のオーディエンスを捕らえようとしている有望なモバイルスタジオにとっては不本意なものかもしれない。ほかのタイトルのプロモーションは,ゲームプレイを妨害するだけでなく,プレイヤーを苛立たせたり,最悪の場合,それによってプレイヤーがライバルのゲームに奪われたりするかもしれないからだ。しかし,効率的かつ賢明に広告とゲームが融合された場合,現在賞賛されているマイクロトランザクションに勝るとも劣らないほどの価値がある。

 「業界では,チャートの上位に入ればそのゲームは成功だと考えられがちです」と,モバイル・マーケティング・プラットフォームAppLovinのEMEA(欧州,中東および,アフリカ地域)マネージング・ディレクターであるJohannes Heinze氏はGamesIndustry.bizに語った。「私たちは,多くのカジュアルゲームのデベロッパたちが,この方程式をひっくり返しており,主に広告を通して収益を上げることによって,存続可能なビジネスを構築していることに気付きました」

 「彼らのゲームは通常,非常にシンプルですが中毒性のあるゲームデザインで,幅広いオーディエンスにアピールしています。また,ゲーム内でほかのゲームをプロモーションし合うことで,長期にわたる高い既存顧客維持率(リテンションレート)を維持し,継続的に収益を上げることができています。最もすごいゲームなどは,プレイヤーを大規模に抱え込めるくらい高い「顧客生涯価値(LTV)」を記録し,フリーゲームのチャートでトップになれるわけです」

 モバイルゲームにおける広告の活用は,長年にわたって劇的に変化した。侵入型の静的バナー広告は現在ほとんど使われず,ビデオ広告が極めて標準的なものとなっている。これらは一層邪魔なものに思えるかもしれず,加えて30秒間はスキップできないことが多いが(もしあなたが延々と選択したランナーに集中していたのならそれは長い時間だ),多くのデベロッパは広告を掲載する引き換えにプレイヤーに報酬を与えている。その報酬は,ゲーム内通貨からパワーアップまでの広い範囲に及び,これを実装しないと,多くの開発者は最大の機会の一つを見逃すことになるとHeinze氏は考えている。

「デベロッパは報酬を通貨ではなく,むしろブーストやスピードアップ,リバイブ(復活)のような1回限りの消耗品にリンクさせるべきです」

 「広告収益化の最大の手法である“報酬”をビデオ広告に実装していないスタジオをよく見かけます。ゲームが進行している状態で広告を出す場合は,報酬がそのゲーム内で引き続き使えるものであることを確認するために,パッケージの支払いを調整することが重要です。また,ゲームデベロッパは報酬を通貨ではなく,むしろブーストやスピードアップ,リバイブ(復活)のような1回限りの消耗品にリンクさせるべきです」と同氏は語る。

 ここ最近目立ってきているゲーム内広告の形態がもう一つある。実際に遊べる広告「Playable Ad」だ。こういったデパ地下の試食的なミニゲームは,基本的にインタラクティブなバナー広告として機能し,ビデオ広告や画面固定型プロモーションのような邪魔をしない。つまり,技術的には,プレイヤーは今遊んでいるゲームを離れることはなく,お試しプレイができるのだ。初期のバージョンは少しばかり疑わしげなものだったが,だいぶ普及してきた現在では,広告主が宣伝するゲームタイトルのプレイを効果的に伝えるようになってきている。

「Playable Adは確実に増えており,どんどん良くなっています。基本的にプレイヤーにそのプロダクトがどういうものなのかを軽く見せる機会になります」

 「Playable Adは確実に増えており,どんどん良くなっています」とHeinze氏は言う。「Playable Adは基本的にプレイヤーにそのプロダクトがどういうものなのかを軽く見せる機会になり,あるゲームからゲームへのスムーズな橋渡しとなります。プレイヤーは,Playable Adとインタラクトし,高い確率でそのアプリをダウンロードしています」

 「Playable Adは,ゲームの実際のコンテンツに焦点を当てた大きなトレンドの一部です。魅力的なCGIや大仰なタグラインの代わりに,ますます多くのビデオ広告が実際のゲームプレイをチュートリアルのように表示しています。マーケットは飽和しているので,ゲームの見た目や様子を実演し,プレイヤーにアプリをダウンロードすると何が待っているかを想像させることが一層重要になります」

 アイテム課金モデルの基盤として確立しており,長く多くの試行に耐えた「アプリ内購入」を,これらの手法と入れ替えにデベロッパが放棄すべきであるという意味ではない。Heinze氏は「ビデオ広告と組み合わせることで,これらは引き続き収益化の黄金律になる」としているが,苦労して稼いだお金を使いたいと思わないプレイヤーの埋め合わせをするために,デベロッパが,フリーミアム・ゲームでどのように広告を効果的に活用するかについて考えることはなお重要だ。

 「これにアプローチする最善の方法は,開発サイクルの早い段階でゲームと広告の融合を考え,広告があなたが作るゲームの一部となり,ゲームの仕組みをサポートするようにすることです。報酬付きの広告は,ゲームセッションの長さを延長する素晴らしい方法でしょう。例えば,エンドレスランナーゲームで死んだ後にプレイヤーに別の人生を与えたり,戦いを開始する前にビデオ広告を見ることで特定のブーストを提供したり,または,一層の事,いくつかのクリッカーがやっているように,広告をプレイヤー維持のためのツールにするのもいいかもしれません。こういう「自然な」融合は非常にうまく機能するものですから」とHeinze氏は説明した。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら