どうすればNintendo Switchのカートリッジコストに関する困惑を解決できるのか
Nintendo SwitchはPS4やXbox Oneよりもお金が掛かる。
これはN64と初代PSの時代を思い起こさせるが,理由は簡単だ。Switchは専用のカートリッジベースのメディアを使用しており,それは製造にも流通にもディスクメディアよりお金が掛かるのだ。その値段は1GBか32GBかで変わってくる(任天堂は最低推奨小売価格は謳っていない)。
現在,ハイエンドAAA領域のゲームは大きな影響は受けない。どの道,AAAタイトルはPS4やXbox Oneでも-予算の上昇に牽引されて-コストの増大は避けられないのだ。調べればすぐ分かるが, Zelda: Breath of the Wildの値段とPS4のHorizon: Zero Dawnの値段はたいして変わらない。
問題は中堅層のゲーム(Bクラスタイトル,リメイク作,インディのAクラス)の前に横たわっている。これは最近Tequila WorksのアドベンチャーゲームRimeで話題になった問題でもある。
Switch版のRimeはPS4やXbox One版と比べて10ポンド(約1400円)コストがかかる(39.99ポンドと29.99ポンド)− 我々の姉妹サイトEurogamerが最近調査観察した結果(参考URL)。
この値札はパッケージ版とダウンロード版の両方のものだ。任天堂はXboxやPlayStationと同様,ダウンロード版とパッケージ版を同額にしようというポリシーを持っている(プラットフォーマーが小売業者を重視するのにはたくさんの理由がある。単に低マージンでハードウェアを販売する必要があるからと言うだけではない)。これは,Switchでのダウンロード版がほかのゲーム機で販売するときよりもかなり高いコストに落ち着くという状況を作り出すが,消費者にその理由が明らかにされることはない。
現在,これはデベロッパやパブリッシャを少し微妙な状況に置いている。もし彼らが物理的なパッケージを望んだら(Switchで最大限に幅広い層にリーチできるよう),そのゲームに高めの値段をつけることになる。これはファンを失望させるだけでなく,結局はゲームのポテンシャルを制限することになりかねない。
Switch版に追加コンテンツを入れるという解決策 -これは最近話した最低でも2つのデベロッパが考慮中だった - これもXbox OneやPS4版のファンを動揺させるというリスクを持っている。
別の方法として,デベロッパ/パブリッシャが単純にダウンロード販売だけにしてしまうというものがある。それで価格を引き下げることはできるが,いまだに有利なパッケージ市場が未開発のままになってしまう。
古典的な板挟みの状況だ。
任天堂は交渉のできない会社として知られている。小売の世界で同社と取引したことがある人なら誰でもよく知っていることだろう(「これが値段だ。買うかやめるかだ」)。任天堂はさらにSwitchのゲームは追加の金額文の価値があると考えている。なぜなら,Xbox OneやPS4と違って,これらのゲームは出先でも使えるからだ。そこにはなにがしかの根拠はあるだろう。しかし私はそれと同じように考えて納得している消費者 -パブリッシャやデベロッパでも- ではない。
任天堂は消費者のために製品の値段を低く保つことへの助成を好まない(競合がビジネスでやっているのとは対照的に,これはSwitchが利益が出る値段で売られていることの理由だ)。これはなにも間違ったことではない。にも関わらず,このような態度はデベロッパやパブリッシャに物理的なパッケージ販売を見送り,物品のコストが法外なのでダウンロード専用の道を強制する問題を起こしかねない。任天堂プラットフォームはサードパーティにはとくにフレンドリーではないことでもすでに有名であり,これもすでにある問題に一つ追加されるだけのことにすぎない。これはゲームの在庫を少なくしようとしている小売店にも物事を難しくさせており,それゆえ今後Switchで使える棚のスペースは制限される。
これはLose-Lose-Loseの状況だ。
Switchのゲームの製造数が増加するにつれ(うまくいけば),価格は下がっていくだろう。おそらく任天堂は,Switchのゲームを多く店頭に並べてもらえるような方法を見つけるために(それがマージンのカットを意味するようなものであっても)長期的視点を取るべきである。より少なくする方向ではなくだ。
※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら)