Alibaba,モバイルゲーム用のグローバル配信ネットワークに164億円を投資

中国オンライン業界の巨人は“"Global Strategic Alliance of Game Distribution”を世界4社と結成した。

 中国・Alibabaは,モバイルゲームの国際配信エコシステムの構築に10億人民元(約164億円)を投資することを約束した。おそらく,これまで中国オンラインショッピングの巨人であった同社にとっては,最高に大胆な一歩をゲームビジネスに示すことになる。

 昨日北京で開催されたプレスカンファレンスではAlibaba Gamesの社長であるSimon Shi氏が"Global Strategic Alliance of Game Distribution" と名付けたものの詳細について発表した。要するに,それは世界の国々を越えた一連の会社間によるパートナーシップのことだ。これまでにMail.ru Group(ロシア),TFJoy(オランダ),Efun(中国),ONEMT(サウジアラビア)が名を連ねている。

 「この協会は,中国,ロシア,ヨーロッパ,日本,中東,そしてアメリカでのモバイルゲーム配信の架け橋となり,よりよいゲーム体験を各地のユーザーに届けることを目的としています」と同社は声明文で語っている。

 Shi氏は,ヨーロッパ,アメリカ,日本,韓国が成熟しているのに対して,南米,中東,東南アジアはいまだ新興であり“不均一”だとして,世界中のモバイルゲーム市場の変革について説明した。「我々はすでにインドやインドネシアといった新興市場で実績を挙げています」と氏は語る。

 Alibabaはこれらの市場のそれぞれについての設計図を持っており,これから生まれてくる巨大組織の全容を構成するために準備されている。それは“ビッグデータ”を使い,配信とお勧めの精度を上げるだろう。Alibaba's Mobileビジネスグループの代表であるXiaopeng He氏は,ゲームIPの“価値を最大化”できると語っている。月間アクティブユーザー数4億2000万人という人気ブラウザを作ったUCWebやビデオ配信プラットフォームYouku,Alibaba Pictures,Alibaba Literatureなどの部門からのリソースとデータの統合によるネットワークを使った配信システムがそれを可能にするのだ。

 「UCWebは,そのグローバルなトラフィック流入を使うことで,Alibaba Gamesの配信で重要な役割を担うでしょう」とXiaopeng He氏は語る。

 新しいネットワークを使って,Alibabaは中国のゲームを世界に配信できるようになるだろう。しかし,この動きは世界中のデベロッパに中国に参入する新たな道を提供する可能性を秘めている。すぐに見積もれるくらいにTencentやNetEaseといった会社と競争できるのだ。

 Alibabaは主に投資という形で,すでに数年前からゲームビジネスに参入している。2014年7月には1億2000万ドルをKabamに,2015年1月には1000万ドルをOuyaに,2016年2月にはMagic Leapの巨大資金調達をリードし,2016年4月には中国で数百に上るe-Sportsイベントに資金を出している。

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