[GDC 2017]もはや世界最大のゲームプラットフォームかもしれないGoogleの2017年展開
一連の発表の中で注目に値するのは,Googleが提供しているデータベースを中心としたサーバーサイドのアプリ作成基盤「Firebase」がC++とUnityに対応したと発表されたことだろうか。マルチプレイヤーのモバイルゲームの作成がさらに加速していくことが期待される。
会場ではそのためのStoreへの改善点がいくつか紹介された。大雑把に言えば,ゲームの評価や割引価格などをより分かりやすくするという方向になるようだ。新しい解説ページが第2四半期に導入される模様だ。
どのような仕上がりになるのかのチラ見せも行われた。ゲームプレイの様子をインラインビデオで見せたり,導入しているゲームの更新情報が表示されるようになったりで,これまで以上のエンゲージメントを狙うということのようだ。
「今年はポケモン21周年に当たる重要な年」とのことで,最初に登壇したのはNiantic CEOのPhil Keslin氏だった。氏は,Nianticの創設の頃の話から最近までの流れをまとめ,最近投入された第2世代のポケモン達が投入されたPokemon GOのプロモーションビデオを上映した(すでに公開されているものと同じ)。Pokemon GOはいまや6億5000万インストールを超え,87億個のカラーボールが販売されたという。同社は今後も,驚きをもたらすようなゲームを開発していくとのこと。
さらにEpic Gamesからは「Battle Breakers」が紹介された。画面的にはHEXタイプなので戦略シミュレーションと言ってよいのだろうか? ゲームのタイプ的にはデッキを組むカードゲームに近いかもしれない。当然ながらUnreal Engine 4で制作されているゲームだが,キャラクターが(萌え系とまでは言わないが)ややアニメ調なのが意外な感じだ。演出のノリなどを含め,東洋での展開も意識した作品のように思われる。こちらも,現在事前登録受付中だ。
Netherrealm Studioからは現在開発中の「Injustice 2」の最新映像が紹介された。前作と同様にリアル調のアメコミヒーローが戦う格闘ゲームであるが,Unreal Engine 4で描かれたキャラクターはモバイルゲームとは思えない質感を有している。さらに装備のカスタマイズによって強くなるだけでなく見た目も変わってくるというやり込み要素の大きそうなゲームとなっている。
そのほか,VRゲームとしてUbisoftからやや不気味(?)なウサギたちが登場する「Virtual Rabbids -The Big Plan」やSpryfoxのサンドボックス系マルチプレイヤーゲーム「Beartopia」なども紹介された。いろんなものを作って交流できるBeartopiaは,個人的に期待大な一作だ。
Jacquardは,服の袖に取り付けるタッチ型の入力デバイスだ。タップしたりこすったりなどのアクションでデバイスに操作を伝えることができる。服の側に,取り付け部分がマウントされていてデバイス自体は取り外し自在なので,洗濯なども問題なくできるだろう。今年中に発売される予定とのことで,第1弾はLevisのジャケットになるそうだ。
Project Soliは,超小型のレーダーをセンサーとして使った入力機器で,たとえば指の動きを読んでジェスチャー入力を行ったり,さまざまな物質を見分けたりすることができるという。反射光のスペクトルからさまざまな化学物質の成分を分析するというデバイスを過去に紹介したことがあったが,たぶんそれの光がレーダー波になったものと考えていいのだろう。こちらは開発キットのβ版が今年中にリリースされる見込みだ。