ソリッドレイ研究所,マルチプレイヤー対応VRシステム「オメガシップ」発表

 2016年6月27日,ソリッドレイ研究所は,マルチユーザーに対応したVRソリューションとして「オメガシップ」(Omega Ship)を発表した。


ソリッドレイ社長神部勝之氏
 オメガシップは,同社のVR構築ツール「オメガスペース」をベースに,サーバーPCとクライアントPC群を組み合わせ,複数のプレイヤーがVR空間を共有できるようになるというシステムだ。プログラミングなしでマルチプレイヤー対応のVRコンテンツを開発できるのが特徴となっている。対応しているVRヘッドセットはOculus VRのRIFTとHTCのViveの2種類だ。
 従来の業務用VRシステムでは,HMD1台のみを対象としたものがほとんどであったのに対し,オメガシップでは最大10人のマルチプレイヤーコンテンツを開発できる。


ソリッドレイ研究所,マルチプレイヤー対応VRシステム「オメガシップ」発表
 オメガシップのコンテンツ稼動時は,接続されたクライアントPC台数分のプレイヤーデータがサーバーに集められ,3次元座標や向いている方向などといったデータがVR空間内で共有される。現在のところ,接続できるPC数は10台を上限としているが,将来的には100台,さらにはインターネット越しの接続なども視野に入れているという。
 また,クライアントPCのみならず,全体を見渡せるナビゲーターが設定されているのも特徴だ。全員の位置を把握し,迷っている人を誘導するなどのサポートが可能になっている。
 ちなみに,オメガシップの「Ship」は「Slidray Helps Immersive Party」の略とのこと。パーティプレイをサポートするためのVRソリューションであるとの意だ。

デモプレイの模様。海上をボートで疾走してリングを集めるミニゲームと,屋内で宝箱を探すゲームの2種類があった。操作はゲームコントローラで行う

ソリッドレイ研究所,マルチプレイヤー対応VRシステム「オメガシップ」発表
 同時にソリッドレイでは,VR体験のために設計された専用デスクも発表している。U字型をした天板などが特徴で,着座ないし立位のプレイヤーがバランスを失わないようにサポートする形状となっている。椅子には回転式のスツールが想定されており,回転した場合でも足が支柱にぶつからないようなデザインとなっている。

 システムは,サーバー,クライアントPC,VRヘッドセット,専用デスクなどが含まれたパッケージになっており,基本セットは,PCクライアント1台とサーバー,ナビゲーター1台で構成され,クライアントは1台単位で追加可能だ。価格は,基本セットで330万円から,追加のプレイヤーセットは175万円からとなっている。なお,本製品は,6月29日から東京ビッグサイトで開催される先端コンテンツ技術展でデモが出展される予定だ。

ソリッドレイ研究所公式サイト


ソリッドレイ研究所、新製品「オメガシップ」を6月27日発表!


株式会社ソリッドレイ研究所((本社:神奈川県横浜市、代表取締役:神部 勝之)は、VR業界にイノベーションを起こす新製品「オメガシップ」を2016年6月27日に発表します。

■オメガシップ開発背景・特長
VR技術は1990年ごろから産業界で使われ始め、実用化されてきましたが、今年2016年はVR元年と騒がれており、多くのニュースが飛び交っております。
その多くはオキュラスやViveなどのHMDデバイスに関してのものであり、その使用方法はスタンドアローン(一人で体験すること)が想定されています。

1987年の創業より30年間、VRシステムの開発を行ってきた弊社ソリッドレイ研究所では、スタンドアローンでのVR体験システムから大きく飛躍し、HMDを使用したマルチユース(複数人同時体験)を可能にしました。これは、VRユーザの長年の要望でもありました。
今までは、ヘッドトラッキングの共有ができず複数人での体験がほぼ不可能でした。
本製品の登場は、白黒テレビがカラーテレビになるほどの革新的なインパクトを持つでしょう。

■オメガシップ製品概要
名称:オメガシップ
システム概要:
・ネットワークを使った複数人でのVR空間共有(発売時は最大10人)
・基本ソフトは、オメガスペース(自社開発VR専用ソフトウエア)
・ハードウエアは、サーバPC、ナビゲータPC、プレイヤーセット(PC、HMD、コントローラ)各1台が基本セットとなり、プレイヤーセットを用途に合わせて追加します。
※HMDは、Vive、OculusRift共に対応します。
・VR空間は、.fbx、.vrml、.3ds、.objなどを読み込んでVR空間を構築します。
(弊社でVR空間構築を受託制作もします。)
販売開始日:2016年6月27日
目標販売台数:初年度100台
基本セット価格:330万円〜(税別)、プレイヤーセット価格:175万円〜(税別)

用途:大型建造物の検証及びプレゼン、製品開発プレビュー、体験型教育、エンターテインメント、レジャー、心理実験 等

※特許出願中、意匠登録出願中