「Japan VR Summit」開催,最新VR製品が集められた展示会場を紹介
カンファレンスについては追ってお伝えするとして,ここでは併設されていた展示会場の模様を紹介してみたい。
●デル
デルは「VR Ready」なPCを展示していた。Alienware X51 Oculus Readyモデルは,CPUにCore i7 6400,グラフィックスカードにGeForce GTX 970を搭載したスリムスタイルのPCだ。メモリやHDDの構成はBTO仕様なので幅があるが,だいたい16万円からとのこと。おむすび型のArea-51でもOculus Readyモデルが設定されている。
実行環境としてのVR Readyマシンのほかに,開発機のほうにもVR Readyなものが用意されている。実際のところ,「GeForce GTX 970以上ってQuadroだとどれくらい?」と聞かれてもすぐに分かる人は少ないのではないだろうか。会場にはQuadro M6000を搭載したPrecision Tower 7910が展示されていた。液冷デュアルCPUが強烈なワークステーションだ。一応,M5000からVR Ready認証を得ているようだが,M6000だと安心とのこと。
●HUG
撮影されたものが配信・表示されるまでのラグは1秒未満とのことで,ほぼリアルタイムでチャットなどもできる模様。
ゲーム向けのものでは,ゲームプレイヤーの頭の位置から360度動画が見られるようなプラグインがデモされていた。これはプレイヤーキャラクターの頭の上にTheta Sを置いたような状態で,ゲームプレイをしているプレイヤーの位置から自由に周囲を見渡せるというものとなっている。Unity向けに開発されており,近くアセットストアで公開される予定とのこと。
もちろんカメラは3人称視点位置にも設定できるので,キャラクターを眺める位置での全周映像にすることも可能だ。同社としてはTwitchのVR版として訴求していきたい考えのようだ。こちらもVR対応HMDでの視聴は可能だが,他人が移動操作を行っている&15fps表示ということで,ちょっと試したくない感じではある。レースゲームなどには向いているだろうか。
同社では,将来的にはテレイグジスタンス方向に拡張したビジネスを展開する予定で,全周動画配信はその予備段階に当たるもののようだ。
●クラスター
Unite 2016 Tokyoでも使われていたクラスターのバーチャルカンファレンスシステムが会場でデモされていた。バーチャルな3D空間に作られた会議場に,3Dアバターとして参加できるというシステムだ。カンファレンスのストリーミング放送はたまに行われているが,VRであれば会場の臨場感をより体感的に味わえる。
なお,現状ではアバター同士のコミュニケーション機能などはないため,会場にたくさんの人がいても雰囲気を盛り上げる以外の役には立っていない模様。大型スクリーンの隣にテキストチャットが流れていたりするのだが,VH対応HMDをつけた状態でテキストチャットをするのはちょっと大変かもしれない。
カンファレンス以外にもいろいろ応用はできそうなので,今後の展開に期待しよう。
●Pico Neo
実は,このコントローラに見える部分が本体(?)である。Snapdragon 820を使ったAndroidベースのゲーム機となっており,HMD部分はセンサーと表示を担当するだけのようだ。移動してもケーブルの心配がないオールインワンタイプで,HMD部分を軽量化できる面白い構成といえるだろう。
さらに面白いのは,ケーブル部分を取り替えればPCにも接続できるという点だ。PC用のVRデバイスとモバイル用を1台で兼ねているのだ。
軽く試した限りでは,視野角は広めで画質的な瑕疵はほぼ見当たらない。すでに中国で発売されており,日本での展開を模索中という段階だそうだ。日本での価格は未定だが,中国では600ドル程度で販売されているとのこと。
十字型のパッドがちょっと気になったり,カメラが付いていないのがちょっと残念だったりするが,決定版が登場していないオールインワンタイプの中では,PCでも使えるという点にひかれる人もいるのではないだろうか。
●体験コーナー
PlayStation VRの体験コーナー。The London Heistがデモされていた |
HTCによるViveの体験コーナー。Tilt Brushなど複数のデモが体験できた |