「ホグワーツ・レガシー」が欧州で(FIFAを除いて)最速セールスを記録。|ヨーロッパ月次チャート

ローンチ売上は,過去6年間に発売された,どの「Call of Duty」よりも大きい

「ホグワーツ・レガシー」が欧州で(FIFAを除いて)最速セールスを記録。|ヨーロッパ月次チャート

概要

  • 「ホグワーツ・レガシー」の大ヒットにもかかわらず,ゲーム全体の売上は10%減
  • そのローンチ売上は「レッド・デッド・リデンプション2」や「Call of Duty: Modern Warfare II」よりも大きかった
  • PS5の販売台数は昨年2月の5倍,Xbox Series X|Sは13%増
  • Switchの販売台数は欧州全体で28%減,イギリスでも同様に減少

 「ホグワーツ・レガシー」は,6年前に欧州のチャートが始まって以来,ビデオゲームとして6番目に大きなローンチ売上を記録した。

 先行するゲームは「FIFA」シリーズのみだ。つまり「ホグワーツ・レガシー」は,2017年以降に発売されたすべての「Call of Duty」シリーズ,さらに「レッド・デッド・リデンプション2」や「ELDEN RING」といったほかの大ヒット作よりも大きなローンチ売上を記録したことになる。

 発売からわずか3週間で,「ホグワーツ・レガシー」はすでに,「FIFA 23」「Call of Duty: Modern Warfare II」「グランド・セフト・オートV」「ELDEN RING」に続く,過去12か月のベストセラーゲーム第5位となっている。

 しかし,このWarner Brosタイトルが大成功を収めたにもかかわらず,欧州における2月のゲーム売上は,昨年2月と比較して10%減少し,1290万本のゲームが販売された。

 このデータはGSDによるもので,欧州の主要市場(イギリス,フランス,ドイツ,スペイン,イタリアなど)におけるパッケージ版のゲーム売上を含んでいる。詳細は,記事の最下部を参照してほしい。

 ゲーム売上の減少は,「ELDEN RING」「Horizon Forbidden West」「Dying Light 2」「Total War: WARHAMMER III」など複数の大型新作タイトルが発売された昨年2月と比べて,リリース本数が少なかったことによるものだ。昨年は,「Pokémon LEGENDS アルセウス」の2か月目の売上も好調だった。

 また,今年はレガシータイトルのパフォーマンスがよくなかった。2021年2月と比較して,GTA Vの売上は35%減,「マリオカート8 デラックス」の売上は39%減となっている。「レッド・デッド・リデンプション2」は顕著な例外で,前年比6%増を記録した。

 そして,次にランクインした新作は,ウォーシューティング「Atomic Heart」で9位となった。

 そのほか,「The Last of Us Part II」と「The Last of Us Remastered」は,ゲームを原作とするHBOのTVシリーズの後押しにより,チャートで急上昇した。Part IIの売上は昨年2月と比べて317%増,Remasteredの売上は285%増となった。

 このチャートには,2月のコンシューマおよびPCのビッグタイトルがすべて含まれているわけではない。任天堂は,大手AAAゲームパブリッシャでデジタルデータを共有していないため,同社の「メトロイドプライム リマスタード」(月半ばにニンテンドーeショップでサプライズ発売された)は含まれていない。また,ほとんどの小規模パブリッシャのゲームも現在含まれていないため,話題のサバイバルゲーム「Sons of the Forest」も対象ではない。

PS5とXboxは2月の売上が好調

 コンシューマ機では,先月PS5が欧州全域で販売台数を大きく伸ばし,昨年2月の5倍となった。PS5については,世界的に深刻な在庫不足に陥ったため,昨年初めは極めて低調であった。

 GSDのハードウェアデータは複数の欧州市場をカバーしているが,最大の地域であるイギリスとドイツの2か国が欠けている。イギリスのハードウェアレポートは,こちら(関連英文記事)で確認できる。

 PS5は,欧州市場で最も売れたゲーム機となり,2位のNintendo Switchの2倍以上の売上を記録している。Switchの売上は欧州全体で28%減少しており,イギリスでも同様の減少となっている。任天堂のSwitchに関する次の大きな動きは今年の第2四半期にあり,ゼルダの新作とマリオの映画に関わる活動が予定されている。

 Xbox Series X|Sは欧州全域で3位だが,昨年2月と比較して13%の売上増となった。

 アクセサリーは,0.2%減の127万個が欧州市場で販売された。この分野は,コンシューマ市場の後押しにより,PS5のDualSenseコントローラが引き続き好調な売上を記録している。

 ポイントおよびウォレットの売上については,欧州全体で115万枚のカードが販売され,前年同期比8%減となった。

GSD 2023年2月 ヨーロッパTop20(デジタル版+パッケージ版)

順位 タイトル
1 ホグワーツ・レガシー(Warner Bros)
2 FIFA 23(EA)
3 グランド・セフト・オートV(Rockstar)
4 Call of Duty: Modern Warfare II(Activision Blizzard)
5 NBA 2K23(2K Games)
6 レッド・デッド・リデンプション2(Rockstar)
7 The Last of Us Part II(Sony)
8 ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク(Sony)
9 Atomic Heart(Focus Entertainment)
10 マリオカート8 デラックス(Nintendo)
11 ボーダーランズ3(2K Games)
12 Dead Space(EA)
13 アサシン クリード ヴァルハラ(Ubisoft)
14 It Takes Two(EA)
15 Nintendo Switch Sports(Nintendo)
16 The Last of Us Remastered(Sony)
17 WWE 2K22(2K Games)
18 シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI(2K Games)
19 グランツーリスモ7(Sony)
20 Minecraft: Nintendo Switch Edition(Nintendo/Mojang)

*デジタルデータなし

GSDのデジタルデータは,Steam,Xbox Live,PlayStation Network,ニンテンドーeショップを通じて販売された参加企業のゲームを含む。主な参加企業は,Activision Blizzard,Bandai Namco,Capcom,Codemasters,Electronic Arts,Embracer Group(Gearbox,Koch Media,Sabre Interactiveなど),Focus Entertainment,Konami,Marvellous Games,Microids,Microsoft(Bethesdaなど),Milestone,Nacon,Paradox Interactive,Quantic Dream,Sega,Sony,Square Enix,Take-Two,Ubisoft,Warner Brosだ。Nintendoと505 Games,小規模なスタジオは含まれていない。

デジタル版のデータは,オーストリア,ベルギー,ブルガリア,クロアチア,キプロス,チェコ共和国,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャ,ハンガリー,アイスランド,アイルランド,イタリア,ルクセンブルク,マルタ,オランダ,ノルウェー,ポーランド,ポルトガル,ルーマニア,ロシア,スロバキア,スロベニア,スペイン,スウェーデン,スイス,トルコ,ウクライナ,イギリスで販売されたゲームを含む。

パッケージ版のデータは,オーストリア,ベルギー,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,イタリア,オランダ,ノルウェー,ポーランド,ポルトガル,スペイン,スウェーデン,スイス,イギリスで販売されたゲームを含む。

コンシューマ機の売上は,ベルギー,デンマーク,フィンランド,フランス,イタリア,ポルトガル,ロシア,スペイン,スウェーデン,スイスを対象としている。アクセサリーも同様だが,スイスは含まれていない。


※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら