「株式会社24Frameの内情暴露日誌」第29回:僕はウルトラマンを知らない


映像作品よりもゲームのほうに親しんでいたかもしれないのが僕の世代感です
「株式会社24Frameの内情暴露日誌」第29回:僕はウルトラマンを知らない
 映画「シン・ウルトラマン」が公開されて気がつけば幾星霜,そろそろネタバレも世にあふれてきており,いろいろな意味で頃合いかな(実際には完全に話題としての旬は過ぎていたりもするわけですが,それも含めて)と思い,結局劇場に3回足を運びつつ思ったことを書いてみようと思います。

■むしろエヴァンゲリオンの世代の人間として


思い入れと言うかオブセッションがありすぎて,これについて語ることは不可能です
「株式会社24Frameの内情暴露日誌」第29回:僕はウルトラマンを知らない
 まず前提として僕はエヴァンゲリオンには言語化できないレベルでのオブセッションがあるので,本作(は,あくまで樋口真嗣氏の監督作品ですが)を冷静に分析したり,また,ウルトラマンの世代でもないので,そもそもの歴史文脈をサルベージしつつの建設的な知見なども創出できないということを予めお伝えしておきます。

 とはいえ,ふしぎの海のナディアから樋口・庵野両監督の関係は(あくまで既発の資料ベースで)追っかけていたりもしましたので,余計になんだかこじれがちな感想を述べてしまいそうです。これもこの手の感想文を上げるかに大いに逡巡した部分ですね。

 すでに「トップガン マーヴェリック」の話をしていて然るべき時期ですが,それもせずに今あえてのウルトラマンです。まあ,いろいろな人とこの話をしていたりもしたので,まあ頃合いかな……と思いつつ,リメイクという点ではトップガンよりもバットマン,またゴジラに見られる日米リメイクに対する考え方の違い,ということのほうがいくらか自分の中での対象化が可能な気がします。


■肝心の感想


 相変わらず前置きが長くなりました。シン・ウルトラマンについて僕が思ったことは主に以下の二点です。

見ている間:この先,どうなるんだろう?
見た後:なんてサービスの量が多い映画なんだ!

 以下にその詳細をば。


「この先どうなるんだろう?」

 この先が気になる,というのは面白い映画あるあるですが,まあこう思わせることがすなわちサービスの量が多いということとニアリーイコールなわけです。

 付け加えるなら,僕がなんとなく知っている「ウルトラマン」から,正体を隠して戦っているヒーローの話,という予想があるわけですが,それも早々にぶっちぎり,外星人と地球人の位相のズレ,みたいなことがテーマになっていて,ここに「この先どうなるの?」と思わされたわけですね。なんていうか,カイジュウが一匹だけ出る訳ではないなどを含め,勝手に思っていたウルトラマンとはずいぶん違うものを見せてもらった感じです。


「なんてサービスの量が多い映画」

 これについてはカイジュウが一匹じゃないなどを含め,本当にいろいろなアイデアを詰め込んでいるなあと。そしてそのアイデアがオリジナルにあったものなのか,そこへの批評であるのかは僕にはまったく分からないものもあり,とにかくいろいろな仕掛けがあるなーという感想です。
 ニセウルトラマンが硬いもの(?)をチョップして痛がるとか,なんか昔似たような映像を見たことがある気もしますが,「そんなの痛いわけないだろ」など,ツッコミようはいろいろとあるのですが,僕は「なんてユーモラス!」,そして「なんか懐かしい気がする!」という感じでほっこりしました。
 僕の制作陣へのファン心理がそうさせるのか,「いんだよ細けえこたあ!」という声が聞こえてきそうなノリノリな気分を味わせてくれました。


■リメイクというもの捉え方


バットマンが映画もゲームも最高なフランチャイズになるなんて,かつて誰が考えたでしょうか?
「株式会社24Frameの内情暴露日誌」第29回:僕はウルトラマンを知らない

 おそらく多くの場合に引き合いに出されるであろう「シン・ゴジラ」とハリウッド版ゴジラの違いもそうなのですが,僕は自分が最近見た「バットマン」の最新リメイクのことを考えておりました。あれは僕としては同世代感が強すぎて「きつい部分」がありました。

 具体的にはオープニングととエンディングでNIRVANAの「Something In The Way」が流れるところです。これの何がきついって,まず監督のマット・リーブス氏が僕と同世代感があるということです。実際には僕のほうが年下ですが,僕は趣味的には+10歳くらいの世代を生きています。

 「で,それの何がきついわけ?」という話ですが,あちらのリメイクというかシナリオの作劇は「今日的な問題をテーマにする」ってところから出発することが多いんですよね。

 それがちょうど30年前のヒット曲に言い表されており,その問題の変わらなさと30年経って当時のティーンが大人になったはずなのにまだ同じようなことを言っている,言うしかない,日米共通で。というのがキツイのです。

まずはこれでマーヴェリック大佐になりきって遊びたいと思います
「株式会社24Frameの内情暴露日誌」第29回:僕はウルトラマンを知らない
 なのでまあ……これはやはりトップガンを見ろ,ということなのでしょう。
 それまでは,エースコンバットに没入することで日々の「サムシング・イン・ザ・ウェイ(何かが喉に引っかかる)」を滅却する。そのように過ごしつつ,それでは皆さん,また次回!

「株式会社24Frameの内情暴露日誌」連載一覧



過去の補足動画は「こちら」(友野Dチャンネル)

24Frame公式Twitter

24Frame公式サイト



(C)円谷プロ (C)2013 NBGI
BATMAN:ARKHAM KNIGHT software (c) 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Rocksteady Studios. BATMAN and all characters, their distinctive likenesses, and related elements are trademarks of DC Comics. (c) 2014. All Rights Reserved.
All trademarks and copyrights associated with the manufacturers, aircraft, models, trade names, brands and visual images depicted in this game are the property of their respective owners, and used with such permissions.(C)GeoEye/JAPAN SPACE IMAGING CORPORATION (C)DigitalGlobe, Inc., All Rights Reserved. ACE COMBAT® INFINITY & (C)2013 NAMCO BANDAI Games Inc.