イギリスで300人以上を診療してきたゲーム障害専門クリニック

患者の89%は男性で,年齢は13歳から60歳以上までと幅広い


 国立ゲーム障害センターは,2019年末の開所以来,300人以上の人々を治療してきた。

 同クリニックのマネージャーで家族療法士のBecky Harris氏は,2021年だけで200人を紹介されたとBBCに語った

 このセンターは,世界保健機関(WHO)がゲーム障害を公認の病気として分類したことを受けて,2019年10月に発表され,その2か月後に開設された。

 ゲーム障害は「ゲームに対するコントロールが損なわれ,他の活動よりもゲームの優先度が高まり,ゲームを他の興味や日常活動に優先するようになり,否定的な結果が発生したにもかかわらずゲームを継続またはエスカレートすることを特徴とする行動パターン」と定義されている。

 Harris氏は,少数のプレイヤーが問題行動を起こすとクリニックが認識していることを強調した。

 「私たちは,多くの人々にとって,ゲームが人生において本当にポジティブなものであることを完全に受け入れています」と彼女は述べた。「私たちは,ゲームに大きな問題を抱えているごく一部の人たちのことを話しているのです」。

 Statistaによると,イギリスでビデオゲームをプレイする人の数は今年4432万人に達した。つまり,300人を超える患者はイギリスのゲーム人口の0.0007%となる。

 Harris氏は,これまでの患者の89%が男性で,治療を受けている人の大半は10代だが,年齢は13歳から60代までと幅が広いことを付け加えた。

 クリニックには「12歳の子供も数人」紹介され,8歳の子供の親からも連絡を受けたが,Harris氏は「診ることはできていない」という。

 ゲーム障害の定義と最終的な分類については,ESA,ISFE,UKIEなど,さまざまなゲーム業界の専門家や業界団体から,このテーマに関する証拠や矛盾した声明に疑問が呈され,反対されたという。

 ゲーム障害はより深刻な根本的な精神衛生上の問題の症状であり,より多くの研究が必要であると主張されている。

 ゲーム障害の分類を導入したWHOの「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(ICD-11)の第11回改訂版は,2022年1月1日に正式に発効される。

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