「株式会社24Frameの内情暴露日誌」第7回:追いかけて,追いかけても

件の,借金の成果物
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 予想できない事態に突入しました。それは別に4度目の緊急事態宣言が出るとかでないとか,スキとかキライとか,最初に言いだしたやつは誰なのかとか,そういうことではなく,もっと僕の半径5メートルな話です。具体的にはこの連載のタイトルが「内情暴露」であるにも関わらず,暴露すべき内情を現実が越えていってしまっている,ということなのです。

 時に西暦2021年,昨年発売された「メタルマックスゼノリボーン」の無念を晴らすべく,今までに想像したことすらない数千万円という借金を背負い,唐突に犬が主役のローグライクアクションシューティングゲーム(長い)「メタルドッグス」の制作を開始したのは,もう半年以上前のことです。

絶賛5言語対応中!
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 これはどの層の顧客に向けた何本を目標とする……みたいな売上計画は存在しない,(なぜならうちの会社,24Frameにはマーケティング部門など存在しませんからね。それも含めて)前代未聞の案件だったわけですが,それもようやく(これまた当初計画にはなかった)クローズドβテストの実施と相成り,さらにそこの募集枠にも「こんなもんかな……」となんとなく決めた枠の10倍以上の応募が殺到し,さらには5か国言語対応(これも当初は日本語だけのつもりでしたが状況が変わりまして),そして各国原語版のクローズドβも始まる,という事態にまで到達しています。

 余談ですが先に行われた「日本国内クローズドβテスト」でも,実はすでに5言語が選択可能な状態でした。が,これは「お前らの翻訳が片言なのはすでに全部まるっとお見通しだ」とばかりに,正規版では全とっかえされるテキストです。先のバージョンは行数とか文字溢れなんかを見るための「アタリ」という状態のものだったんですね。

ここまでやるつもりはなかった
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 事実,この原稿を書いている時点ではどこまでが公開情報で,まだ伏せられている状態なのか僕もちゃんと分かっていません。ここまで書いてきた内容に「あ,それまだ公開してないやつー」が含まれている可能性も大いにあるのですが,まあ僕は社長なので,誰かに怒られたりすることはないでしょう。(※注 実際には24Frameでは従業員に社長が怒られる,ということがままあります。あれ,おかしいな。社長ってもっとみんなが頭を垂れて傅きながら話しかけてくれたりするものだと思ってたんだけどな……まあしょうがないか。これも自分より優秀な人間を雇用していることの弊害ということにしておきましょう)。

 思いつきで数千万借りてくるという僕も僕ですが,これだけ当初計画変更しまくりの経営と制作についてくるスタッフも,控えめに言ってどうかしています。そしてそんなゲームのβテストに応募する,思ったよりたくさんいたユーザーの皆さんも,同様の狂気をはらんでいる,という風に言うことができるのではないでしょうか。

これにも参加してます
SCARLET NEXUS &(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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 ついでに言うと,これももう公開情報になっちゃったので問題ないと思いますが,この間に,うちがお手伝いさせていただいた案件としてバンダイナムコエンターテインメントによる作品「SCARLET NEXUS」も発売になっています。これはゲームデザイナー/シナリオライターというクレジットなのですが,この担当は僕ではありません。その人物は頭の良さも能力も若さも容姿もすべて僕を凌駕しているような人間なのですが,彼/彼女のような人間がなぜ僕のような人間に雇われているのか,狂人の考えることはよく分かりません。

狂人のみなさん,応募はこちらからどうぞ
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 狂人ついでにいうと,「スク○ニ飽きたんで来ました」とか,「JA○AN STUDIOなくなったんで働いてあげようか?」みたいな人が面接を受けに来たりもしたので(2秒で採用です),世の中には思ったよりもぶっ飛んだ人が多いのかもしれません。喜ばしいことです。

 ともあれ,暴露すべき日常がことごとく想像の遥か上をいく今日このごろ,どこまで何を書いて良いのか,というコモンセンスを持たない僕に連載をもたせるGIJE担当のN氏も勿論この狂人リストに名を連ねています。こんな圧倒的な現実に,飲みかけていたお茶も思わず吹き出してしまうといった感じです。

 そして完全リモートであるがゆえに,掃除をするのも僕本人といえます。これもまた僕が描いていた社長像とは大きくかけ離れたものです。

 ともあれ,「初夏アーリーリリース開始」であった「METAL DOGS」のアーリーアクセス開始は少なくとも「夏」になりそうです(元に今,すでにセミが鳴き始めています)。ただし,今回はゲーム制作にありがちな「間に合わねえ〜」的な引っ張りではなく,よりよい結果を目指した発展的なスケジュール,だとここに皆様にご報告しつつ,今回は筆を,厳密に言えばマイ○ロソフトワードを,置きたいと思います。以上,友野でした。

吹きこぼしの主な理由
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METALDOGSストアページ

過去の補足動画は「こちら」(友野Dチャンネル)

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