Appleの「すべてのデベロッパを同じように扱う」という主張を米議会が検証

下院反トラスト小委員会が,Prime Videoアプリの収益シェアの半分をAmazonに提供していることを示すメールを公開した。

 米下院反トラスト小委員会が公開した電子メールによると,AppleはAmazonのプライムビデオをiOS App Storeに誘致しようとして,収益シェアを下げる交渉を行ったとのことだ。

 電子メールは,今週の公聴会の一部として公開された, これにより,AppleのTim Cook CEOは,彼らのビジネス慣行について質問される多くの技術指導者の一人になる。Appleの場合,そのプラットフォーム上で行われた支払いから取られる30%の収益シェアが精査の対象となっている。

 Techcrunchによると(参考URL),Cook氏は下院反トラスト小委員会にこう語ったという。「我々はすべてのデベロッパを同じように扱います。我々はオープンで透明性のあるルールを持っています……。我々はプライバシーとセキュリティ,そして品質をとても大切にしているので,厳格なプロセスを経ています。我々はそれが上に行く前に,すべてのアプリを見ています」

 現在の構造では,Appleがデジタル商品やサービスを販売するアプリから作られた収益から30%のカットを取るようになっている。Cook氏は,App Store上のアプリでAppleにすべてで何かを支払うのは16%だけであることを追加した。

 しかし,Cook氏の立場は,Amazon Prime Videoプレイヤーが,他のデベロッパに与えられたものよりも有利な条件を受け取るための交渉を明らかにしたAppleとAmazonの間の電子メールによって矛盾を呈していた。

 CNBCが報じたように(参考URL),その電子メール ―2016年11月の日付のもの― には,AmazonのCEOであるJeff Bezos氏がAppleの幹部Eddy Cue氏との話し合いを振り返っている様子が映し出されている。

 彼らが話し合った条件には,Prime Videoアプリを通じて行われた新規契約に対する15%の収益シェア(初年度の標準料金の半額)と,Showtimeのようなアップセルサービスに対する15%のシェアが含まれていた。

 メールには最終的な取引ではなく交渉の様子しか書かれていないが,Bezos氏が説明した条件は,2017年末にApple TVでAmazon Prime Videoアプリが発売される1年前にAppleから提示されたものだ。

 下院独占禁止小委員会では,FacebookのMark Zuckerberg氏,AmazonのJeff Bezos氏,AppleのTim Cook氏,AlphabetのSundar Pichai氏からのヒアリングも行われた。

 また,Appleは2019年にSpotifyがApp Storeで販売されているサブスクリプションの収益シェア30%を巡って,欧州委員会の苦情についても調査を受けている(参考URL)。

 GamesIndustry.bizのオピニオンでは,法律の専門家であるAndreas Lober博士が,圧力と注目がAppleのビジネスモデルの変更 ―業界標準の30%の収益シェアを崩す― を強制する可能性があることを提起している(関連記事)。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら