中国,ビデオゲームの評価に新たな倫理委員会を結成

20タイトルが処理されたが,そのうち11タイトルは「モラルハザードをなくす」まではリジェクトされている。

 中国は,再編中のビデオゲーム承認プロセスの一部となる新たな評価機関を編成した。

  South China Morning Postの取材によると(参考URL),国営放送の中国中央電視台はオンラインゲーム倫理委員会が「最近」稼動を始めたと伝えている。そしてすでに最初の一群として20タイトルが評価されたという。

 ビデオゲーム認証は,中国政府がその主要部門の再編を始めた3月以来停止しており(関連英文記事),同国におけるゲームリリース問題の解決の責任は,新たに作られたState Administration of Press and Publications(SAPP)に移管されていた。

 ―そのようではあるのだが― 倫理委員会がSAPPの一部なのかどうかも,これまで評価されたゲームはどれなのかも定かではない。
 
 しかしながら,処理された20タイトルのうち,わずか9タイトルだけが承認されている。11タイトルは「モラルハザードをなくす」までリジェクトされている(参考URL) ―しかし,これがとくに意味しているところもいまだはっきりしない。

※原文どおりに翻訳していますが,参照元のSouth China Morning Postの記事では,「9本がリジェクトされ,残りの11本では特定のコンテンツの変更を命令された」となっており,11本が条件付き承認で9本がリジェクトというのが正解のようです。

 中国政府のビデオゲームコンテンツへの厳しさは悪名高いものがあり,さらにゲームと中毒や近視との関係に関する懸念も持ち上がっている。コンテンツの管理はますます厳しくなってきた。

 暴力ないし性的なコンテンツを有するゲームもしばしばリジェクトされている。 ― そこでUbisoftは最近のRainbow Six: Siegeでは見た目をいじって中国でリリースができるようにしようとしている(関連英文記事)。しかしながら大半のゲームパブリッシャは,GamesIndustry.bizに,現在の中国のゲーム承認凍結に関心がないと語っている(関連英文記事)。

 ゲーム承認の凍結が開始されて以来,中国のビデオゲーム市場の成長は ―劇的に減速しており,現地のパブリッシャは財政難に苦しめられている。

 SAPPはSouth China Morning Postによるコメントの要請に応えていない。しかし財務サービス企業 Jefferiesは研究ノートで,この新たな倫理委員会はよい兆候だと語っている。

 「今月末までにもっと戦略的な方向性が出てきそうです」と同社は記している。「おそらくこのあと2019年半ばまでには,承認再開に向けたタイムテーブルの発表が行われる可能性が高いでしょう」

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら