Google Play「モバイルゲームの性較差は是正する必要があります」

ゲームをよく遊ぶ男性の47%は女性と一緒にゲームをすることを好まないという調査結果から「Change the Game」イニシアティブが開始された。

 Google Playは本日(※英国時間2017年12月7日)新しいイニシアティブを開始した。これは,Newzooに委託した女性のモバイルゲームに関する調査の結果からゲームをする女性を褒め称え奨励するためにこの問題に関するインタラクティブな体験とショートフィルムを用意したものだ。

GamesIndustry.bizとの会話の中で,Google Playのプロダクトマーケティングマネージャーを務めるMathilde Cohen Solal氏は,この調査は同社が期待していたよりも多くの女性がモバイルゲームをプレイしていたことに気づいたことから始められたと語った。その数字を深く掘り下げていくと,彼らはすぐに彼らの疑問に答えるだけの研究がされていないことに気づいたという。そこで調査会社のNewzooと共同で,米国に住む10歳から65歳までの3330人以上に調査を行った。

 その結果のいくつかは彼らを驚かせた。たとえば,女性のモバイルゲーマーは男性よりも深く没頭する傾向が見られた。43%の女性ゲーマーは週に5回以上ゲームをプレイしていた。それに対し男性は38%だった。


 それにも関わらず,女性プレイヤーはあまり多くのジャンルをプレイしたがらない傾向があった。男性の場合は3つ以上のジャンルのゲームがプレイされていたのに対しほとんどの女性は1つか2つのジャンルしかプレイしていない。そして彼女たちはほとんどまったく自分がゲーマーだとは思っていない。男性の57%に対して29%の女性が認めているのみだ。そして60%の女性は女性のために作られたゲームは三分の一もないと考えている。

 これらの数字が示すものについて聞かれると,Solal氏は「答えるのは簡単ではありません。これに何か月も取り組んで一つ我々が気づいたのは,これが非常に複雑な様相を示しているいうことです」と語った。

 しかしながら,彼らはこれらの反応を解明する鍵となるかもしれないいくつかの要素を特定した。第1に,この業界では男性を前面にかつ中心にする傾向があることだ。まったく,アプリストアでは女性キャラクターに比べてどれくらい男性キャラクターのアイコンが見られるだろうか。
(※12月8日時点の日本版Google Play無料Top100を調べたところ,男性22,女性23,両方2,動物28,その他25だった)

 この調査は同時に男性ゲーマーを要因として指摘している。25%の男性は「どちらかというと,同性のプレイヤーと一緒にないし対戦してモバイルゲームを遊びたい」という文章に同意しているが,これに対し女性は10%にすぎなかった。そして,女性の10%という数字はどれくらい遊んでいるかに関わらずほぼ不変であるのに対し,最もゲームをプレイするような男性プレイヤー(週に10時間以上プレイする)では,47%が男性とだけプレイしたいと答えていた。こういった傾向は自然と女性があまり歓迎されないような排他的雰囲気を生み出すと彼らは語っていた。

 「私たちの仮説の最後の部分は,業界内の代表者が不足しているのではないかということです」とSolal氏は語った。「現在,ゲーム業界の27%が女性ないしトランスジェンダーで占められていることに驚きはありません。業界の少数派は女性であり,我々はこれが作成されるゲームのコンテンツやストーリーラインに影響していると考えています」

 Change the Gameは3つの「柱となるコミットメント」によって,この問題に対処しようとしている。すなわち,ゲームの多様化の促進,あらゆる形で女性プレイヤーとその体験を祝福,そして次世代のゲームメーカーに力を与えることだ。

 このイニシアティブの一部はすでに稼動しており,Google PlayはIndie Cornerで強い女性キャラクターが出るゲームのコレクションを設置して奨励している。さらにちょっとゲーム的なインタラクティブ性を持たせたWebサイトが作られ,商業的に女性プレイヤー(埋没しているものも含めて)の多様化を祝うと同時に今回の調査結果のいくつかが公開されている。 Change the Gameキャンペーンは来年さらなるプログラムの追加が予定されている。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら