[TGS 2017]VR/ARコーナーで見かけたVRヘッドセット製品あれこれ

[TGS 2017]VR/ARコーナーで見かけたVRヘッドセット製品あれこれ
 2017年9月21日,千葉県・幕張メッセで「東京ゲームショウ 2017」が開幕した。
 昨年に引き続き,今年もVR/ARコーナーが設置されており,国内外から45社が出展をしている。昨年と比べるとゲームの出展が増えてハードウェア,とくに独自仕様のVRヘッドセットなどはめっきり少なくなった感がある。ここでは会場内で見かけたVRヘッドセット関連製品を展示していたブースをまとめて見てみよう。

昨年のVR/ARコーナーの模様その1

昨年のVR/ARコーナーの模様その2


●カールツァイス
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 スマホを挟み込む「PC用」VRヘッドセット「ZEISS VR ONE Connect」が展示されていた。製品の概要については,こちらの記事を参照してほしいのだが,今回の出展では技術的に詳しいことは分からず,発表当時に謎だった部分は解明されなかった。

 さて,前の記事ではちゃんと把握していなかったのだが,VRヘッドセット(VR ONE Plus)自体は昨年発売されていた製品だそうだ。それをPCと接続するケーブルおよびコントローラがVR ONE Connectとなる。すでにカメラ屋系の量販店などで日本でも発売されているとのことだった。

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 ヘッドセット自体はGoogle Cardboard準拠の製品であり,Android端末およびiPhoneに対応している。ウリはなんといってもレンズで,レンズの位置などを調整しなくても全域がクリアにフォーカスがあう光学設計になっているという。実際,ちゃんと装着しても全域にフォーカスがこない製品もあるのだが,VR ONE Plusでは,装着した瞬間に画面のピクセルがくっきりと見える。装着したまま少し後ろにずらしたりぐっと押し付けて目の位置を近づけてもほとんど変化はない。画素がくっきり見えるのも一長一短ではあるが,視野の端がボケていて,ちゃんと装着できているのかどうか分からなくなるといったストレスとは無縁だ。

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 PCとの接続はUSBケーブル一本で,接続されるのだが,そのケーブルなどが届いておらず,デモは体験できなかった。PC側でレンダリングした映像はUSBケーブルでは送信できる量ではないので,どのようなことが行われているのか聞きたかったのだが,日本のZWISSでもそのあたりはまだ分からないとのこと。英文ページにはComputingをPCで行うような説明があったのだが,レンダリング自体はスマホ側で行っているのだろうか? デモ映像のフルーツ忍者ではスマホでもレンダリングできる程度の画質でしかないので判断ができない。

 ちなみに,VR ONE Plus自体はCardboard仕様のヘッドセットにすぎないので,実はConnectを使うと一般に市販されているスマホ用のVRヘッドセットでSteam VRのゲームができてしまうらしい。画質やレンズでの優位性はあるのだが,すでになんらかの製品を持っている人はわざわざ買い直す必要はないようだ。
 頭の動きのトラッキングはスマートフォン側のセンサーを使用しており,ハンドコントローラも3DoF(角度のみ)の動きしか追えない。3DoFなので,やはりSteam VRのゲームのすべてに対応できるわけではないという。ZWISSでは,そのあたりを補完するソフトウェアで位置トラッキングを行う技術を他社と共同開発していたのだが,その会社が別の会社に買収されてしまったようで,今後どうなるかは不透明になっている。

 表示は簡易的なものになるかもしれないが,Steam VRのゲームを手軽に体験できそうなユニークな製品であり,なにかと高価なことがネックになるPC VR環境では登竜門的な位置づけになりうる。今後の情報に注目しよう。個人的にはDaydream互換機ベースの6DoF対応版を望みたいところだが……。


●H2L
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 昨年も筋電位デバイスを出展していたH2Lは,製品版となるFirst VRを出展していた。これはスマホ用簡易ヘッドセットと腕に巻きつける筋電位計からなる製品で,腕の筋肉の動きから指の動きを検出できる,スマホに送信してVR空間で手を使った操作が可能になるというものだ。筋電位計だけではなく,ヘッドセット込みでの製品化だったのでちょっと驚いた。
 軽く試用したのだが,会場内のBluetoothの電波状況が最悪でまったくテストにならなかった。コンパニオンによるデモ実演を見ても「つかむ」といった動作は困難なようで,腕を振り回すような動作だけで進行しており,残念ながら筋電位計の本領が発揮されることはなかった。電波状況のよい環境ではちゃんと動くとのことだったが。
 製品版となるFirst VRは9980円(税込)で4月に発売予定だ。ヘッドセット部分はプラスチックによる一体成型で,クリップのようにスマホを挟み込む構造になっている。装着感は……顔の形にもよるのかもしれないが,硬くて額が痛くなりそうだった。クッションはほしいところだ。

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●Green Optics <韓国>
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 韓国Green Opticsが出展していたのは,VRヘッドセットのようでそうではない微妙な位置づけの製品だった。
 ヘッドセット内の画面は立体視ではなく,分かりやすくいうとPCのディスプレイとして使われる。頭の動きなどにも追従しない。しかし,別途ライフル状のガンコントローラを使うと,FPSなどのマウスルックタイプのゲームであれば,ガンコントローラの動きに視界が追従するようになる。これによって,普通のFPSなどをそのままガンコントローラで操作できるようになるのだ。ガンコンはマウス代わりとして使用するのだが,Windowsの操作はちょっと難しいかもしれない。ゲーム中の移動などはガンコン左手部のジョイパッドで行う。

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 良くも悪くも視野角は42度程度なので,見た目にはそこそこ大きい画面だが,動いてもひどく酔うということは(たぶん)ない。
 VRデバイスではないので昨今の流行には乗っていないが,既存の3Dコンテンツがそのまま遊べるというのは面白い位置づけかもしれない。

左:内面 右:こちらの製品は目の部分が光る。敵にやられると目が赤く光ったりするとのこと。プレイヤーには確認できないのだが,ゲーム大会などでは分かりやすいのかも
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●ビュージックス
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 ビュージックスはビデオ系HMDの老舗だが,iWAREビデオヘッドフォンはVR関連製品という位置づけだとちょっと微妙かもしれない。画面は片目あたり1280×720と,立体視用としてはまあまあの解像度だが,立体視コンテンツが少ないのだ。一応,頭の動きを検出したり立体視にも対応しているが,対応アプリは360度動画ビューアくらいしかないようだ。Unityなどでコンテンツ開発はできなくはないようだが,現状ではビデオ鑑賞とかPC用HMDという位置づけが妥当だろう。


●モジ
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 一応スマホ用の超簡易VRヘッドセット「キャラメルVR」が展示されていたが,昨年と同じといえば同じだ。折り畳みができるので携帯性に優れている。



●TQ Interactive
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 TQ Interactiveブースの半分では,中国製VRヘッドセットPicoが展示されていた。Pico NEO S,Pico NEO CV,Poco Goblinが置いてあったのだが,ChinaJoyで見かけたトラッキング関係のデバイスは展示されていなかった。聞いてみると,日本では発売する予定がないので出展は見合わせたとのこと。
 デバイスについてはChinaJoyの記事を見てもらうのが早いかもしれないが,載せ忘れていたものもあるのでそれぞれについて簡単に紹介しておこう。Pico NEO Sはコントローラ部にスマホ相当のプロセッサを内蔵したオールインワンデバイスで従来製品のモデルチェンジ版,Pico NEO CVはコントローラ型をやめ,PSVR風の装着機構になったオールインワンデバイスだ。Snapdragon 835搭載のフラッグシップ機である。Pico Goblinは低価格なオールインワンデバイスとなっている。

左:Pico Goblin 右:Pico NEO CV
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