Ubisoft CEO「サービスベースのゲームは市場を成長させるだろう」

UbisoftのCEOは唆されたプレイヤーたちがOverwatchやDestiny,Skull & Bonesから離れることについて心配はしていない。

 UbisoftのCEO Yves Guillemot氏によれば,何年にもわたってプレイヤーを引きつけるようにデザインされたロングテールのコンシューマゲームやPCゲームは,難しく作られたゲームよりもゲーム業界全体を成長させるだろうとのこと。

 Ubisoft執行部の長は今日(英国時間2017年7月24日)同社のシンガポールスタジオでジャーナリストの一団に語った。このスタジオは発売予定のマルチプレイヤー海賊ゲームSkull & Bonesを制作している。同作は,シンガポールの重要拠点に結びついており,Asassin's CreedのようなHDコンテンツゲームであるとともに,かつてヒットしたGhost Recon Phantomsのようなサービスベースのゲームでもある。

 そして,市場はプレイヤーを長期にわたって保持するようにデザインされたゲーム ― オンライン上の永続的なDestinyの世界ないし,Overwatchのような高いリプレイ性のいずれかを持った ― で,ますます賑わってきている。Ubisoft自身も同じカテゴリとなるTom Clancyシリーズから派生したRainbow Six SiegeやThe Divisionを擁している。

「確かに我々は人々をほかのゲームから遠ざけねばならなくなるでしょう。しかし,5年もゲームをやり続けると彼らはなにか別のものをやりたいと思うかもしれません」

 GamesIndustry.bizは,Guillemot氏はパブリッシャが消費者にSkull & Bonesを購入し,それに従事することを強制しようとしているだけでなく,ほかのゲームのプレイをやめるように説得する必要があり,海賊バトルから人々を引き離すようなライバルパブリッシャの製品が出ないことを望んでいるのではないかと仮定してみた。この試みに同パブリッシャはいかに取り組んでいるのだろうか?

 「いい質問です」と氏は語った。「人々がプレイしたいと思っているゲームには大きな多様性があります。ほかのゲームに対しての一つのゲームではないのです。たくさんの人々がゲームをプレイすればするほど,彼らは違ったタイプの体験を求めるようになります。確かに我々は人々をほかのゲームから遠ざけねばならなくなるでしょう。しかし,5年もゲームをやり続けると彼らはなにか別のものをやりたいと思うかもしれません」

 「私が考えるに,こういったタイプの(※サービスベースの)ゲームでは,我々はこの種の体験をもたらすゲームのプレイヤーを増やすことができるでしょう。またゲーム市場は非常に大きく成長しようとしています。より多くの国,それぞれの国により多くの人々,― なぜなら,この種のゲームを1時間プレイするためのコストは,それ以前のゲームより低いからです。もしあなたが60ドルのゲームを14時間プレイしたとしましょう。1時間あたり4ドルになります。いま,あなたはゲームを200時間,数千時間プレイすることができます。ですが,値段は60ドルのままで,それに加えてゲーム内でいくらかの追加投資必要です。1時間あたり20セントから40セントになります。ですので,もし時間があるなら,あなたは多くのこういったゲームのプレイを(正当化することが)できます」


 スタジオ訪問はUbisoftによる東南アジアにおけるゲーム開発の優位性を強調した幅広い攻勢の一環だった。今日はとくにシンガポールでの強さを示すさまざまなプレゼンが行われた。シンガポールは英語を公用語とすることで知られており,高品質なインターネット回線を持ち,地域からハイテクに精通した大量の新入社員が集まっている。

 我々はUbisoftにシンガポールでの今後5年でのゲーム展望の変化に期待するものと,そこでのパブリッシャがどんな役割を果たしたいのかについて聞いてみた。

 「今後5年(でなにが起こるのか)について語るのは難しいですね。しかし短期的な視点で言えば,我々はここにいます。バンダイナムコもここにいます。そして現在(シンガポールで)ますますたくさんの才能を持った人がゲーム企業に現れています」とGuillmot氏は語った。

 「ここにはたくさんのインディーズ開発者もいます。ですので,我々は才能のある人の集団が成長するのを見守っているところです。我々は,それが今後数年間非常に大きく成長し続けるだろうと考えています。ですので,我々にとっては,才能のある人がここにいますので,高品質なゲームを作るには最高の場所のひとつだと言えます」

 Ubisoft SingaporeのMD(Managing Director)を務めるOlivier De Rotalier氏は付け加えた。「今年はSkull & BonesとAssassin's Creed Originsがあり,我々にとって非常に重要な年です。我々は,あなたがシンガポールから強力かつ有望なタイトルを提供できることをお見せしますよ。人々にここで大きな成功を見出せることを示すこと,これが我々の役割です。ですので,今年は我々にとって鍵となる年なのです」

 Guillemot氏はシンガポールの進化を,ゲーム産業の中心地はスタジオへの雇用を簡単にさせるものとみなしているようだ。しかし都市国家が国際的企業に魅力的になっていくと,UbisoftはElectronic Artsのようなライバル企業がシンガポール支社と競合するようになることを懸念していないのだろうか?

 De Rotalier氏は,彼のスタジオは「まったく心配していません。なぜなら彼らはここにいないからです」と語り,Guillemot氏は「より激しい競争は中国と日本の企業から起こるでしょう」と予測していた。

 GamesIndustry.bizは,今後数週のうちにGuillemot氏からのさらなる話をお届けする予定だ。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら