Niantic CEO:VRは“凄すぎる”。“社会問題”を起こしかねない

NianticのCEO John Hanke氏はARを探検するさらなるゲームを求めて呼びかけた。

 Pokemon Go開発スタジオの社長は,VRの没入的な性格は,何人かの人が信じているような世界を変えるメディアというよりも社会問題を引き起こしかねない技術になると信じている。

  London Games Festival 2017の一環で行われたMixed Reality Summitの午前中の講演で,NianticのCEO John Hanke氏はAR(Augumented Rearity)による恩恵に焦点を当てたいと語った。氏のスタジオが作り上げた世界征服級のヒット作Pokemon GOに組み込まれている機能についてだ。

 「VRについて言うと,人々が膨大な時間をそこで過ごしたいと思うような体験によって,私はそれが凄すぎるものになりかねないことを危惧しています」と氏は語る。「私はすでに私の子供たちがMinecraftを遊びすぎることに懸念を持っています。あれは素晴らしいゲームですが」

 「我々人類はこれらについてたくさんの研究をしてきており,実際に我々が運動をしたり,外に出たり(とくに自然の中)すると大きな幸福感を感じることが示されています。もし我々が社会なしで済ませて『ゲームウォーズ』的なVR空間ですべての時間を過ごすようになったとしたら,これは我々の社会にとって問題になると考えています」

※「ゲームウォーズ」:アーネスト・クラインによるSF小説
スティーブン・スピルバーグ監督が映画化中,2018年公開予定

 その代わり,氏はデベロッパにAR,とくにプレイヤーが屋外に出る必要のあるものを使ってゲームを作ることを推奨している。ゲームの重要な部分ではないが,Pokemon GOはスマートフォンのカメラを使って,現実の世界にモンスターがいるようにユーザーに見せている。

 「ARには,人々にポジティブなインパクトを与える可能性が大量にあります」とHanke氏は語る。「Pokemon GOの健康に及ぼす影響に関する研究があります。これはPokemon GOに特化したものですが,すべてのARゲームに適用を拡大することもできます。これらのゲームは,人々が通常よりもずっとアクティブにになることを促進するでしょう。一人の親として,このようなゲームを作るという私のモチベーションの一部は,私の子供たちに家から出させるようにすることにあります。私は実現できるたくさんのよいことがあると思っています」

 Nianticに同社で同様にVRのプロジェクトを手がけることを考えているかと聞いたとき,氏は「すでにVRに取り組んでいるたくさんの人たちがいます。ですので私はこれまで弊社でVRが焦点になったことがあったとは思いません。私にはVRとARがこのように二つに分けられる運命のものなのかもよく分かりません。これらは一つの体験に収束するものかもしれません」と語った。

 もちろん,VRはよい効果をもたらすこともある。認知症の介護で使われるなどの使用法でそれは証明されている(関連英文記事)。

 インタビューの残りの時間,Hanke氏はアップデート版のIngressに取り組んでいることにも言及していた。このタイトルはPokemon GOのテンプレートとなったゲームだ。後者のゲームではチームを倍増して新しいイベントやソーシャル要素の追加が準備されているという。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら