低迷した6月の北米ゲーム販売は「Overwatch」が牽引

Blizzard Entertainmentの新作は健闘したが,北米ゲーム市場のセールスは26%下落している。

 北米のリサーチ会社NPD Groupがリリースした6月のレポートは,同社としては初めてリテールのパッケージセールスと,同社がトラッキングサービスを始めたばかりのデジタルソフトウェアセールスの総数を合算したものとなった。しかし,ゲーム業界のセールスは26%減となる6億5220万ドルとなり,コンシューマ機向けソフトウェアは3億2200万ドル,そしてPC向けソフトウェアのセールスは2780万ドルと,それぞれ20%ほどの減少となっている。ゲーム向けアクセサリーは1億2090万ドルと6%ほどの減少にとどまった一方,ゲームハードウェアは42%減となる1億8150万ドルというセールスだった。

 2015年6月のトップセールスとなった「Batman: Arkham Knight」のような新作ソフトのリリースや,好調なハードウェアセールスにけん引された状況と比較するのが残念なほど,ソフトウェア,ハードウェア,アクセサリーのすべてで減少傾向になりました。ハードウェアセールスの減少は,ドル換算ベースで全体の58%にもおよびます」とはNPD Groupの分析官であるLiam Callahan氏だ。

 Callahan氏は,2015年6月にリリースされた「Batman: Arkham Knight」は,2016年6月では数少ない新作となった「Lego Star Wars: The Force Awakens」と比較すると,セールスは5倍ほども異なると付け加える。「Overwatch」は,5月のセールスの好調さを持続しており,ソフトウェアセールスの原動力となったことを指摘し,「OverwatchやUncharted 4: A Thief’s Endなど,5月の発売から2か月経ったゲームが,なおよい成績を残しています。昨年と比較して,2016年の5月にリリースされたゲームが2か月後に示すパフォーマンスは,2015年度よりも84%も良好なものです。4月ローンチのタイトルを見れば,Mortal Kombat Xがリリースされていた2015年度と比較して低調で,今年6月は70%ほどの減少になりました」とCallahan氏は続ける。

 今回NPD Groupが発表したセールスランキングには,OverewatchのBattle.netでのセールス,およびUncharted 4: A Thief’s EndのPlayStation Networkでのデジタルセールスは含まれていない。それを考慮した上で,SuperData(英語関連記事/http://www.gamesindustry.biz/articles/2016-06-23-overwatch-dominates-rankings-leaving-battleborn-in-the-dust-superdata)によるとOverwatchはデジタルセールスで5月中には2億6900万ドルを売り上げており,Uncharted 4も同月のコンシューマ機向けソフトのデジタルソフトでトップセールスを記録していた。

 ハードウェアについては,NPD Groupは第8世代のコンシューマ機の低調さが,1億1170万ドルの減少に影響したと指摘しており,8月中の発売が予定しているXbox One Sなど新たなハードウェアが発表されていることが影響しているのだろうと話す。それでもなお,PlayStation 4とXbox Oneは,前世代のゲーム機と比べると非常に善戦している。Callahan氏は,「PlayStation 4とXbox Oneがリリースされてから32か月が経過しますが,双方のゲーム機の販売台数総計は,前世代にあたるPlayStation 3とXbox 360の同時期の販売台数よりも40%も高いものです」と解説した。

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