John Carmack氏:Oculus Questは「最終的にNintendo Switchと競合することになるだろう」

CTO John Carmack氏は,ハードウェアはXbox OneやPS4と競合するほどパワフルなわけではないと語った。

 Oculus VRのCTOであるJohn Carmack氏は,Nintendo Switchが新たなワイヤレスネッドセットであるOculus Questの主な競争相手だと指摘した。

 今週開催されたOculus ConnectカンファレンスでOculus Questが発表された(関連英文記事)。これは技術的にも価格的にも,Oculus GoとOculus Riftとの間の溝を埋めるべき存在である。

 Carnack氏は,基調講演で新デバイスの技術的側面を詳述した。この製品はワイヤレスでかつ「6軸自由度」のトラッキングを提供している。しかしながら,「素のプロセッサパワー」という意味では,Oculus Riftを駆動するために必要なハイエンドPCというよりも,前世代のゲーム機のほうに近い。

 「Questは,パワーではXbox 360やPlayStation 3のような前世代(のゲーム機)に近いところにいます。CPUとGPU,そしてそれでなにができると期待されるかという意味でです」とCarmack氏は語った。

 氏によると,その世代のほとんどのゲームは1280×720ドットを30fpsでレンダリングしている。VRでは,同じ画像を1280×1280ドットで2回レンダリングし,72fpsで動かす。これは,Carmack氏の指摘するところでは,Xbox 360のゲームより8.5倍多いピクセルを処理していることになる。

 「その世代では,AAAタイトルのようなレベルのハイクオリティでゲームを扱うことはできません。VRで見られるようなクオリティしか期待できないのです」と語り「レンダリングしなければならないピクセルがあまりにも多すぎるのです」と加えた。

 市場の位置づけとして,Questはすでに現世代のゲーム機を持っているゲーマーに対して2番めかつモバイルなデバイスとして販売されることになるだろう。

 「現実的に言って,我々は最終的にデバイスとしてNintendo Switchと競合するようになるでしょう」とCarmack氏は語った。「私は『PS4は買わないよ。代わりにQuestを買うから』というような人が多くなるとは思っていません」

 「私は,Riftが提供するすべての体験の主要な魅力をQuestに持ってこれるという宣言を用意しています。しかし,忘れないでほしいのはプロセッサパワーの違いです……。(ハイエンドPCとQuestの間には)ほぼ100倍のパワーの差があるのです」

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