ソニーのクロスプレイでの方向転換に対する業界の反応

MicrosoftはMinecraftでのプレイヤーの接続を熱望している。BethesdaはFallout 76についての計画はないと語る。だが,Rocket LeagueとHeathstoneには希望がある。

 ついにPlayStation 4とほかのゲーム機間のクロスプレイを許容したというソニーの発表は,正確にはまだ水門を開いていないように思われる。にもかかわらず,デベロッパとパブリッシャたちは同プラットフォームホルダーが方針を変えたことを喜んでいる。

 同社は昨日(※2018年9月26日),FortniteがPS4ユーザーにXbox OneとNintendo Switchのユーザーとプレイできる最初のタイトルになると発表した(関連英文記事)。CEO小寺 剛氏によると,現在,「選定されたサードパーティのコンテンツ」に対してクロスプラットフォームをサポートすることを検討中だという。

 さまざまなゲーム会社がこのニュースに反応し,各社のゲームがクロスプレイをサポートするのかという消費者からの問いにTwitterで答えている。

 とくにMicrosoftの公式アカウントは絵文字の「バンザイする人」を使って反応している(参考URL)。広報担当がIGNに語ったところによると,これはより互換性の高いタイトルにつながるとしている(参考URL)。

 「我々はゲーマーに好きなゲームを好きな人と遊ぶ機会を与えることはよいことだと思っています」と彼らは同サイトに語っている。「それが我々のパートナーのゲームにRocket LeagueやFortniteのようにクロスネットワークプレイを提供することなのか,それともMinecraftのようにクロスデバイスのプレイを可能にすることなのかはともかく,我々はより多くのプレイヤーたちがゲームで一緒に遊んで楽しめるような新たなシナリオを支持します」

 「同様に,ぜひともPlayStation 4のプレイヤーがMinecraftのエコシステムにやってこれるようにしたいところです。しかし現時点ではこれ以上申し上げることはありません」

 この数か月間,Microsoftはクロスプレイの忠実な支持者であった。おそらく,ソニーが繰り返し(関連英文記事),ゲーム機間の接続を断固として許さなかったというのも理由のひとつだろう。自社プラットフォームとNintendo SwitchでのMinecraftのクロスプレイを促進するため(関連英文記事),Xboxの会社は任天堂と組んで前例のない共同マーケティングキャンペーンを行いさえした(関連英文記事)。

 もうひとつの熱心なクロスプラットフォーム支持者はRocket LeagueのデベロッパであるPsyonixだった。同社の出版部門副社長 Jeremy Dunham氏はソニーの決定を「偉大な一歩」だとTwitterで断言している(参考URL)。

 「我々は,(Rocket Leagueの)コミュニティが,これが彼らにとってどういう意味があるのかを知りたがっていることは理解しています。しかし,(現時点では)アップデートの予定はありません。その間に,コメントのためにソニーに接触することをお勧めします」

 氏はその後「我々はそれを研究しています。実装は,一部の人が考えているほど簡単なことではありません。いくつかの政治的な課題もあります。Fortniteと同じ方法で動かしたくはないでしょう。マルチプレイヤーの設定のために片方のアカウントがロックされるようなのは絶対にダメです」と加えている(参考URL)。

 Bethsdaでも同じような話だった。同社はこの動きに喝采を上げたが,発売予定のタイトルについて確定した予定はない。同パブリッシャのグローバルコミュニケーション部門の長である Pete Hines氏はTwitterでソニーに「お見事」と送ったが(参考URL),続けて「いくつかの理由でFallout 76はクロスプレイをサポートしません。それがどうなるのか見当もつきません。しかし,我々がローンチやB.E.T.A.(※βテスト)にフォーカスしているようには,正しく認識されていないことは保障します」

 Hines氏のコメントはBethesdaのディレクターTodd Howard氏によって繰り返された。氏は以前Fallout 76でクロスプレイは不可能だと言っていた人物だ(関連英文記事)。今回,氏はこれが部分的にソニーの協力が得られないためだとしつつ,Hines氏のコメントはもっと複雑な問題を示唆しているという。

 Hines氏は以前,クロスプレイはThe Elder Scrolls: Legendsの重要要素だと語っていた(関連英文記事)。なので将来的にはこれは実現される可能性が高い。

 ついにIGNはActivisionからの返答を受け取った。それは同社のタイトル― Call of Duty,Destiny,Overwatchを含む― にクロスプレイを導入できそうかという質問に対するものである。

 「我々はHearthstoneで他のプラットフォームとのクロスプレイで多大な経験を持ち,さらに我々のコミュニティに対してどの程度説得力を持つかを見てきました」と担当者は語る。「ほかのゲームにクロスプレイを統合するべきかどうかを決めるために,やらなければならない仕事が我々の側にもプラットフォームの側にもたくさんあります。ですので今後のテストに注目しており,この機能がもたらす潜在的な影響が我々のプレイヤーやゲームにとってどんなものになるのかを評価する予定です」

 Fortniteのクロスプレイをテストして参照することがここで重要になる。それはまさにソニーがテストをどう見ているかと同じだ。昨日,小寺氏は,βテストはプラットフォームホルダーに「PlayStationにおけるクロスプレイが最高の体験となるべく検証を行」う機会となると語っており,プレイヤーがアクセスできるものに対する同社の姿勢は,人々が望むほどには緩められていないことがうかがえる。

 ソニーがFortniteのβテストを承認した直後の段階では多くの発表を期待するのは無理というものだろう。もしテストで十分な需要が示せたなら,クロスプレイの追加に対してプラットフォームホルダーがデベロッパに手を差し伸ばす可能性は上がってくる。

 しかし需要は謎のままだ。過去1年にわたってこの問題がソーシャルメディアとマスコミのホットトピックとなっていたにもかかわらず,GamesIndustry.bizのために行われた最近のGameTrackの調査では(関連記事),ゲーマーの58%はそれに対して「無関心」だった。肯定的だったのはその三分の一にすぎなかった。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら