[CJ2018]スマホでマウスとキーボード? 中国最新スマホ用ゲームコントローラ事情

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 2018年8月3日から中国・上海で「ChinaJoy 2018」が開催されている。私は主にVRデバイスなどの取材を担当しているわけなのだが,ChinaJoy 2018では会場内のVRデバイスは激減している。
 思えば,2016年あたりがむしろおかしかった。独自仕様のVRデバイスが山ほどあったほうが変なのだ。現在でもいくつかは生き残っているものの,会場内のVRヘッドセットに関するブースは,ほぼViveとPicoだけという状況になっていた。スマートデバイスの展示会であるeSmartでは,代わりに椅子やヘッドセットなどが盛況だった。うーむ。

展示されていた椅子の例
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 そんな会場内から目に付いたものを紹介してみよう。
 まずはスマホ用のコントローラである。これは昔からあるといえばあるジャンルであり,昨年AtariからNintendo Switchの発売で再燃してきた感もあるが,スマホ用のゲームはコントローラなしで使えるように設計されたものが多いので,必要性を感じない人のほうが多かったデバイスかもしれない。
 とはいえ最近はスマホでもFPSやバトロワ人気が上昇しており,状況はまた変わっている。使いにくいバーチャルコントローラよりは実際のスティックやボタンのほうが使いやすいのは間違いないだろう。

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 ということで,Flydigi Electronics TechのWee 2だ。見たとおり,これはスマホを挟み込んで使うタイプのコントローラである。縦置き横置きに対応し,最近の超縦長スマホを横にしてもちゃんと挟み込めるあたりは,しっかり柔軟に作られていることが分かる。対角サイズでいうと,3.5〜6.3インチに対応している(画面の対角ではなく本体の対角)。Wee 2というからには先代があるわけだが,それと比べるとゲームの種類の変化に伴ってか,扱えるボタンが2個増えている。アナログスティックにデジタルスティック,4ボタン+アップダウン的な配置の2ボタンに両肩のの2ボタンという配置になる。ついてに最大秒間120連射という連射ボタンも備えられている。AndroidとiOSの両対応となっている。
 もちろん,どのゲームでもコントローラに対応できるというわけではないというが,対応タイトルは増えているという。会場でデモされていたのはNHN PlayArtの「#コンパス」だったのだが,これは中国版の話で,残念ながら現在の日本版ではコントローラに未対応とのことだった。

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 また,隣で動いていたのはPUBG Mobileだった。似たものが多いが「TencentのPUBGだ」とのことなので,たぶん本物のはずだ。
 で,そのPUBG MobileをPC用の左手キーパッドとマウスでプレイしているデモも行われていたのだ。Wee 2にそれらの機器を接続することで,スマホでもPC用USBデバイスが使用可能になるのだ。ゲームにもよるのだろうが,PUBG Mobileではまったく問題なくプレイできていた。一部のプレイヤーにとっては朗報になるのかもしれない。

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 同社の製品で,日本でも発売されるというApexは,Xbox Oneコントローラにスマホを取り付けられるようにしたような製品だ。わりとありがちな形状かもしれない。
 Xbox Oneコントローラよりもボタン数は多く,下に取り付けられた3つはAndroidでお馴染みのホーム,戻る,履歴の3ボタン,トリガーは左右に2つずつで半押し状態と全押し状態で別の機能にもできる。さらに実は背面にもボタンがついている。バタフライ式なので同時に押せない組み合わせはあるが,4つのボタンとして機能する(こんなにボタンを使うゲームはあるのだろうか)。これもAndroidとiOSの両対応だ。

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 最後にiOS専用となる黄蜂は,スマホの片側(下側/左側)のみにコントローラのスティックとボタンを増設するような製品だ。これ以外の製品と大きく違うのは,Bluetooth接続ではなく物理的な接続で信号が送られるというところだ。すぐに使えて速く確実に信号が伝わるというのはよいことであろう。
 さらに「静電容量空間マッピング技術」によって,4つのボタンの操作が固定位置のタップに置き換えられるらしい。これにより素のままで多くのゲームに対応できるとされている。

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 スマホでゲームコントローラは必要かはどうかはともかく,あったほうが楽なゲームがあるのは確かだろう。会場にはこれ以外にもいくつかスマホ用のコントローラが出展されていた。こういったコントローラが普及すれば,より本格的なゲームも増えていくのかもしれない。