Live2Dとアニプレックス,長編アニメーション制作で資本提携

 2018年3月28日,Live2Dとアニプレックスは,業務資本提携を行い,アニプレックスがLive2D株の過半数を取得したと発表した。同時に,両社によるLive2D技術を使った長編アニメーション制作プロジェクトが始動したことも明らかにされている。

 アニプレックスは,FateProjectや魔法少女まどか☆マギカなど,さまざまなアニメーション制作で知られるアニメスタジオである。一方のLive2Dはゲーム用ミドルウェア・ツールの展開以外に,社内にLive2D Creative Studioを設けて本格的な映像制作も手がけていた。
 Live2Dによる長編アニメーションの制作は,両社の思惑が合致し,Live2Dの手描き画像を生かした「新しい映像表現」を共に追求していくとしている。
 昨年のaliveでは「アカデミー賞を取る」という最終目標が示されていたわけだが,予想以上に速いペースで事態は進行しているようだ。正直言って,長編アニメーションとなるとかなりの難事になると思われるのだが,そこからフィードバックされた技術やノウハウがLive2D自体をよりブラッシュアップしていくのだろう。今後の展開に期待しよう。

アニプレックスとLive2Dが業務資本提携。長編アニメーション映画制作を始動

 株式会社アニプレックス(本社:東京都千代田区、代表取締役:岩上敦宏、以下、アニプレックス)と株式会社Live2D(本社:東京都新宿区、代表取締役:中城哲也、以下、Live2D社)は業務資本提携を行い、アニプレックスがLive2D社の株式の過半数を取得したことをお知らせいたします。また、映像技術『Live2D』を使用した長編アニメーション映画制作を始動することを併せてお知らせいたします。

Live2Dは2次元でしか表現できない魅力的な『絵』を、絵のままでダイナミックに、思い通りに動かすことを目指し、3Dと全く異なるアプローチによって実現した映像技術です。これまで、国内外300以上の商用タイトル(映像・ゲーム・アプリ)で使われており、2017年の世界のパブリッシャーTOP10社のうち70%が、国内TOP52社のうち87%がLive2Dを採用したコンテンツをリリースしています*。
*App Annieランキングに基づいた自社調べ: https://www.appannie.com/jp/insights/app-annie-news/tpa2017_top52/

両社は、このLive2Dを使ったこれまでに無い全く新しい映像表現でのアニメーション作品制作に取り組むという目標を共有し、この度の業務資本提携は、その大きな目標を実現するため、持続的な協業関係を構築し、長編アニメーション映画制作に挑戦することを目的としております。

Live2D社は本提携を機に、ソフトウェアの開発と全世界に向けた提供をさらに加速させるため本発表後から採用活動を強化し、Live2Dの開発に携わるエンジニア、長編アニメーション制作に従事するデザイナーを始め幅広い職種の人材採用を開始いたします。 ゲームを中心としたリアルタイム表現、そしてアニメーションによる映像表現に関わる2Dクリエイターにとって理想的な 『 描きたい通りに描き、動かしたい通りに動かす 』未来を実現していきます。

今後、両社は長編アニメーション制作を進めながら、それぞれが得意とする分野でノウハウや技術を共有し、アニメーション・ゲームなど多様なコンテンツ・サービスを通じて新しい表現・価値を創出する活動を行って参ります。

【 アニプレックス 代表取締役 岩上敦宏 コメント 】
「アニメやアプリゲームにおいて広く利用されているソフトウェア『Live2D』を有するLive2D社と話し合いをしていく中で、同社の技術を駆使した長編映像制作を行いたいという熱意を強く感じました。今回の提携によりアニプレックスはLive2D社のビジネスを支援しながら、ともに映像技術をさらに進化させ、さらなる映像表現を追求していけば全く新しい映像作品ができると確信しております。長い道のりかもしれませんが、ぜひご期待ください。」

【 Live2D社 代表取締役 中城哲也 コメント 】
「Live2Dは国内外のアプリゲームを中心に普及が進んでいます。今回、エンタテインメント事業を全世界規模で展開するアニプレックスとの提携により、長編アニメーション映画制作に挑戦する機会をいただきました。アプリゲーム業界向けのツール開発をこれまで以上に加速させつつ、革新的な映像表現と、それを実現する技術を提供することで、2Dコンテンツ、そしてそれを支えるクリエイターの発展に貢献出来ると確信しております。」