Google,人気YouTubeチャンネルを監視へ

論争の末にまたも大物YouTuberが脱落し,同社は広告主のGoogle Preferredプログラムでコンテンツの審査を始めることにした。

 YouTubeによるインフルエンサーのエコシステムにはさらなる激震が待ち受けているのかもしれない。Financial Postによると(参考URL),GoogleはまもなくGoogle Preferred(Googleが優先して推奨する番組)でコンテンツの審査を行うという。Google Preferredは,18歳から34歳までの人たちに人気のチャンネルから上位を選出したもので,同社が主要ブランドに広告オプション「Easy-to-Buy」として提供している。

 この計画をよく知る人物はFinancial Postに,Googleは人間のモデレーターと広告に適切でないと思われるビデオを判定するソフトウェアの両方を利用する予定だと語っていた。Google Preferredの路線変更は,YouTubeコンテンツクリエイターLogan Paul氏によるスキャンダルの直後に発表された。先月末,Paul氏は自分のチャンネルに,日本では自殺の名所として知られる青木ヶ原の森への旅行をまとめたビデオを投稿した。Paul氏は森の中で死体と遭遇しており,その模様は氏が投稿したビデオに映像として含まれている。今週GoogleはPaul氏をPreferredプログラムから外し,氏のYouTube Red(※YouTubeの有料サービス)にある複数のプロジェクトをお蔵入りにした。

 YouTubeがスターコンテンツクリエイターを取り締まるという問題は,昨年Wall Street Journalが
著名なゲーム系YouTuberである Felix "PewDiePie" Kjellberg氏が攻撃的で反ユダヤ的なユーモアを使いがちな傾向にスポットライトを当てた頃から表面化してきた。その影響は「ディズニー傘下のスタジオがKjellberg氏を外した」「パートナープログラムをご家庭向けのクリエイターに大幅に絞り込んだ」という記事で報告されている。YouTubeに関しては,YouTube RedのオリジナルシリーズであるScare PewDiePieの第2期がキャンセルされ,氏のチャンネルはGoogle Preferrredから削除された。

 こういったものや人種差別的なビデオに現れる広告についての議論によると,YouTubeは広告主に「高リスクコンテンツ」つまり政治的論争や暴力的,性的コンテンツ,戦争関連,そして冒涜といった厄介なテーマを扱うビデオを避けるオプションを用意している。かなりの数のクリエイターがCall of Duty: World War IIに関するビデオでの収益の急落を報告していた(関連英文記事)。その後すぐに,YouTubeはサイト上にある暴力的ゲームの寄せ集めに収益を落とすと脅すような「広告主に優しい」ガイドラインを発表している(関連英文記事)。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら