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 Epic Gamesの「Unreal Engine 4」(UE4)の採用事例がますます増えている。大小さまざまなプロジェクトでの採用が相次いでいるが,近年だと「ストリートファイターV」「鉄拳7」,そして今夏発売の「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」での採用がとくにホットトピックとしてゲーム業界では語りぐさとなった。UE4は「選択して安心」の「安定のプラットフォーム」となり,日本の大手ゲームスタジオでの採用事例の発表にも,いまや業界はそれほど騒がなくなったほどで「日本のゲーム開発シーンに根付いた感」がある。「舶来物」扱いされていた2010年頃を思い返すと,今の「業界からの厚い信頼ぶり」には感慨深いものがある。
 このUEの日本での地位向上には,Epic Games Japanの設立が大きく寄与している。日本語での時差のないサポートと,日本の開発現場からの要望を即座にエンジンコア開発現場にフィードバックさせる体勢が整ってから,UEのイメージはがらりと変わった。

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上:ストリートファイターV,下左:鉄拳7,下右:ドラゴンクエストXI
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 こうして日本でも「安定のプラットフォーム」と認知されたUE4だが,近年は,採用事例に新たな潮流が発生している。
 一つはVR案件での採用が目立ちはじめているということ。
 例えば昨年バンダイナムコが大成功を収めたVRアミューズメント施設「VR ZONE Project i Can」で稼動していたタイトルのかなり多くがUE4ベースであった。また,同社が開発を進めているVR対応タイトル「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」もUE4ベースだ。これ以外にも大小さまざまなVRプロジェクトが各社で進行しているが,これはUE4がVRに早期から対応してきたことが大きな理由だろう。
 また,NVIDIAやAMDなどのGPUメーカーが提供しているVR向けの最新技術を,ネイティブでUE4に統合していることも大きい。良質なVR体験を提供するための「下支えとなる技術」はUE4側がすべて面倒をみてくれるため,制作側はVRコンテンツを制作することだけに集中できるのだ。

GDCではローグ・ワンでUE4が活用されたエピソードがILM XLABによって語られていた
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 二つめの新潮流は,ノンゲーム……すなわちゲーム以外での採用事例が増えてきていることである。2015年はテレビドラマ「デスノート」で死神キャラクターのリュークがUE4ベースで制作され,実写による俳優の演技映像と合成されたことが話題になった。また,今年放送されたテレビアニメ「スクールガールストライカーズ」でもUE4が利用されたことが報告されている。昨年末に公開された「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」では,名脇役として大活躍したロボットキャラクターのK-2SOの映像の一部で,UE4ベースの映像がそのまま最終映像に採用されたことが明かされ,ゲーム業界のみならず映像業界をも震撼させた。今やUE4は映像品質で「ルーカスフィルムのお墨付き」をもらったゲームエンジンといっても過言ではないかもしれない。
 そんなゲーム分野のみならず,ノンゲーム分野でも躍進を続けているUE4について,Epic Games Japanは,Game Tools & Middleware Forum 2017(GTMF)でどんなセッションを執り行うのだろうか。登壇者のEpic Games Japanロブ・グレイ氏岡田和也氏に聞いてみた


UE4がVer4.16へと進化。その注目の機能などを紹介するグレイ氏のセッション


 2017年5月24日,最新版のUE4であるVer.4.16がリリースされた(参考URL)。
 報道ではNintendo Switchへの対応が大きく取り沙汰されているが,それ以外にも,パフォーマンスの改善,新機能の搭載,機能の拡張など,そのアップデートは多岐にわたっている。グレイ氏のセッションは,そうした新版UE4の注目の機能の中から,とくに注目すべき機能や実践的な活用の仕方を紹介していく内容になるようだ。グレイ氏のセッションは,今回もスライドベースでの講演ではなく,実際にUE4の関連ツールを実機PCで起動しての実演ベースになるとのこと。

グレイ氏:
 Unreal EditorのMesh Paint Toolが作り直されて使い勝手が向上していて,頂点カラーのペイントがとてもやりやすくなっています。セッションでは,複数のテクスチャをこの頂点カラーに応じてブレンドさせていくテクニックや,頂点カラーのペイントをSkeletal Meshにも適用できるようになったことなどを実演で見せていきたいと思っています。

 Ver.4.16では,冒頭で触れたVRについても,対応レベルが上がっている。VRコンテンツを制作することができるのは変わりないが,UE4自体がVRにネイティブに対応するようになったのだ。Epic Games側の発表によれば,Unreal EditorとSequencer Editorの二つで,「VR対応のためにオーバーホールを行った」とわざわざ明言しているくらいだから「ネイティブ対応」という表現に偽りはなさそうだ。

グレイ氏:
 Unreal EditorのVRモードでは,制作者が仮想世界に入り込んでマップを作成することができるようになります。アニメーションや物理の設定もVRモードからできるようになっていますし,VRモード中でもちゃんと物理シミュレーションは進行しているので制作中の世界に対してVRモードからインタラクトすることもできます。
 Sequencer EditorもVRモード対応となったことで,イベントシーンのキャラクターの動きなどをVR視点で確認できるだけでなく,再生,巻き戻し,早送り,編集に至るまでがVRモードで行えます。セッションでは,そのあたりも紹介できたらな,と思っています。

どんなVRデバイスにも統一的に対応できる
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 実はUE4のVR対応はEpic Gamesの創設者でありUE4アーキテクトも務めるTim Sweeney氏肝いりのプロジェクトとして進められていることもあり,取り組みの度合いが「かなり本気」なのだ。
 GDCで行われた灯台を作るデモを見た人もいるかもしれないが,現在,Epic Gamesは,UE4内で使える3Dモデルのモデリングツールを開発中だ。これもVRモード対応前提で開発が進められているというから楽しみだ。近い将来,デスクトップ画面のDCCツールに戻らず,VRモードの中だけでゲーム制作ができるようになる時代が来るのかもしれない。

グレイ氏:
 Ver.4.16ではサウンドシステム(オーディオシステム)が大きく進化しています。音像の360°全方位定位だけでなく,遮蔽,反射にまで対応したモダンなものになります。CPUベースでの実装となっているため,互換性に優れていて,新たにUE4対応となったNintendo Switchを含め,対応プラットフォームのすべてで共通仕様で使えるのも特徴ですね。

 この新サウンドエンジンは先行してEpic Games内製のVRゲーム「Robo Recall」で採用されているそうだ。筆者も体験したことがあるが,HRTF(Head-Related Transfer Function:頭部伝達関数)に対応していることもあり,一般的なヘッドフォンでも,かなりリアルな立体サウンド再現を実現できていた。こうした遮蔽・反射までを再現した立体音響技術はVRにも欠かせない要素となってきているだけに,今やUE4においても重要度が高いのだろう。

グレイ氏:
 私のセッションは,UE4初心者からUE4熟練者まで,見て聞いているだけで楽しめる内容になっていますので,UE4に少しでも興味があればぜひ聞きにきてください。


急増するUE4のノンゲーム系活用事例を紹介する岡田氏のセッション


 UE系カンファレンスでお馴染みの顔ぶれとは異なる,ニューフェイスの岡田氏が担当するのは「ノンゲーム分野から学ぶUE4の活用テクニック」というタイトルのセッションだ。
 まさに,冒頭で述べたUE4活用事例の新潮流の一つを題目に掲げたセッションというわけである。

岡田氏:
 今年は思い切って「ゲームではない活用」……つまりノンゲームをテーマにしたセッションを執り行うこととしました。
 最近,自分が携わるサポート案件でもノンゲームの事例が多くなっているんです。例えば,今名前を挙げられるプロジェクトとしてはバンダイナムコさんの「プロジェクト・レイヤード」(参考URL)ですね。このプロジェクトはゲームとアニメのメディアミックスプロジェクトですが,アニメ制作をUE4を活用して行うとして進められています。
 今回のセッションでは,そうした日本でのUE4のノンゲームの活用事例を紹介しつつ,そうした現場で培われたテクニックなどを紹介していこうと思っています。

 現在,ゲームでも多くのタイトルがイベントシーンをオフラインレンダリングではなく,ゲームエンジン上で動いているリアルタイムレンダリングで表現する事例が増えている。
 こうした映像制作現場でのUE4の採用事例の増加は,2016年に正式リリースされた「Seqeuncer Editor」の登場が大きく影響しているといわれている。タイムラインベースのマルチトラック編集に対応したSequencer Editorは,映像制作現場の「制作感覚」にぴったりと適合したため,「そっち畑」のアーティストやエンジニアがすんなりとUE4へ入ってこられるようになったのである。

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 もともとUE4は,リアル系グラフィックスが得意であり,登場当初からその表現力は,映像業界からも一目置かれてはいた。そこにUE4特有のスピード感のある制作パイプラインと,映像制作現場好みの編集機能が加わったのだから,映像業界からの注目が集まるのは当然の流れと言える。

岡田氏:
 東映のツークン研究所(参考URL)に,UnrealStageを導入してもらったのも最近の映像制作系案件としては大きな事例と言えます。
 これは,モーションキャプチャで取得したモーションデータをリアルタイムにUE4へ流し込むことができる技術で,モーションキャプチャの撮影現場でアクターのモーション通りに,リアルタイムでキャラクターを動かしつつ,背景,エフェクト,カメラワークをその現場で制作できてしまうリアルタイム制作フローです。
 これは,映像制作のスピード感を向上させることに結びつくのはもちろんですが,ゲーム制作においてもイベントシーンの作り方に大きな変革をもたらす可能性を感じています。


 なお,このUnreal Stageの技術は,Ninja Theoryが制作中の「Hellblade: Senua's Sacrifice」でも採用されており,昨年のSIGGRAPH 2017ではその制作の様子がデモの形で一般公開されて大きな注目を集めた(関連記事)。
 Unreal Stageは,身体の動きだけでなくフェイシャルの動きもリアルタイムに反映にできるため,人間の演技者の演技・表情をリアルタイムにCGキャラクターに反映することができる。つまり,モーションキャプチャのその現場で,目標としている最終映像になるかどうかを高精度で見極めつつ,制作を進めることができるのである。Epic Games Japanでも,今後,大手ゲームスタジオ,大手映像制作スタジオ向けのBtoB案件として訴求を進めていきたいとのことである。

岡田氏:
 私のセッションは,ゲーム制作における映像制作部門の方はもちろんですが,UE4をゲーム以外の事例に活用したいと考えている方にも聞いていただきたいですね。難度は低めなので「UE4のノンゲーム活用事例の動向を知りたい」というUE4初心者の方にもお勧めできます。

 大阪・東京会場ともこの二人によるセッションは行われるので,この機会にUE4の最新動向と応用範囲を確認しておくとよいだろう。

ロブ・グレイ(デベロッパリレーションズ・テクニカルアーティスト)
 来日して20年の日本語堪能なアメリカ人。Epic Games Japanは2012年より在籍。レベルデザインやアセット制作パイプラインなどに明るく,ゲーム開発者向けイベントでは,自ら登壇してUnreal Engine 4の各種ツールの使い方や機能を解説することが多い。

岡田和也(サポートエンジニア)
 2016年11月よりEpic Games Japanに合流。Unreal Engine 4のライセンシー向けのコミュニティサイトのUDNでのサポートから,実際の開発現場でのサポートも担当。VR関連の開発経験も豊富で,最近急増中のUE4を活用したVRプロジェクトへのサポートも急増中。前職は関西の大手ゲームスタジオにてゲームエンジンの開発にも従事。ゲームエンジンのアーキテクチャそのものに関しての造詣も深い。

GTMF 2017公式サイト