Newzoo:2017年のグローバルゲーム市場は1089億ドル(約12兆円)規模に。モバイルゲームが花開く

調査会社はスマートフォンとタブレットゲームの収益が今年の全世界での売り上げの42%を占めると見積もった。

 Newzooのグローバルゲームマーケットレポートの最新四半期版では全世界のゲームビジネスは今年1089億ドルになると予測した(参考URL)。なかでもモバイルデバイス(スマートフォンとタブレット)が収益の大半を生み出すという。Newzooは,前年比19%の成長で461億ドル,すなわちマーケット全体の46%に達するということに言及しつつ,モバイルを「最ももうかる分野」と呼んでいる。2020年までにモバイルゲームはゲーム市場全体の半分に達すると同社は語っている。

 モバイルがタブレットでのゲームを含むとはいえ,この分野は明らかにスマートフォンで占められている。Newzooは今年予想される460億ドルのうち,353億ドルはスマートフォンによるものだろうと語った。同時に,タブレット端末の売り上げは「ガタ落ちしている」とNewzooはコメントしている。たとえ,世界中で2億8000万台のタブレット端末が使われており,全世界のゲーム収益の100億円以上に貢献していてもだ。


 モバイルが成長し続けている大きな理由の一つに中国ゲーム市場の台頭がある。APAC(アジア太平洋)地域全体で,今年512億ドル(全世界合計の47%)を生み出すとNwezooは語っている。中国は今年全世界のゲーム収益の四分の一を担うことになる。これは251億ドルに達すると見られている北米ゲーム市場を上回る点で注目に値する。中国でのモバイル市場の収益は,主にTencentとNetEaseが主導しており,2016年どは112億ドルだったとNewzooは語る。今年は146億ドルに上昇することが期待されている。

 中国,日本,韓国を除いても,残りのアジア地域は今後数年,世界でも最も高い成長が期待される地域である。2020年には,昨年から45億ドル上がって,ゲーム収益が105億ドルに増加することが期待されている。これは,北米は2017年に270億ドル(前年比4%up)の収益が見積もられるており,世界第2の規模の巨大ゲーム市場として留まるということを意味している。その成長率はあまり印象的ではないといっても,まだ飽和を見せていないモバイルに牽引されるだろう。「成長は,課金者の比率の高さをゲームプレイでの平均消費額の組み合わせで加速されます。同様な傾向はEMEA(ヨーロッパ中東アフリカ)地域にも見えます。2017年には262億ドルに達する見込みです。ラテンアメリカは44億ドルのゲーム収益となるでしょう」とNewzooはコメントしている。

 コンシューマゲーム機とPCのゲーム分野を見ていくと,Newzooはコンシューマゲームは全世界で335億ドルを生み出すと語っている。そのうちのほぼ三分の二がデジタル配信のものとなる。昨年,Microsoftとソニーだけで140億ドルを生み出している。これはファーストパーティのゲーム売り上げとサードパーティのライセンス料と有料会員制サービスの会費を合わせたものである。コンシューマゲームが予想以上に頑張っているのに対し,PCでは販売数は上昇したものの売り上げは下がっているとNewzooは指摘している。「我々は現在,ダウンロード版とパッケージ版のゲームが2019年に245億ドルになると予想しています。これは我々が1月に出していた全世界のPCゲーム市場の数字である290億ドルと比べて大きな下方修正となります」と同社は語った。

 デジタル配信でのPCの問題の一部は,ブラウザゲームやソーシャルゲームが減少し,カジュアルユーザーがモバイルにシフトしていることにある。「PCブラウザゲームの収益は2015年から低下を続けています。これはカジュアルゲームユーザーがモバイルデバイスに移行しているためです。2016年にはFacebookのゲーム売り上げが,2011年にZyngaのPC売り上げが30%低下したとき以来最低となっています」とNewzooは語った。

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