2022アジア競技大会にe-Sportsが正式種目として追加

プロゲーミングは来年のインドネシアの大会でも取り入れられる。

 今週e-Sports分野は大きな飛躍を遂げた。プロフェッショナルゲーミングが2022年のアジア競技大会の正式種目となることが決まったのだ。

 アジアオリンピック評議会はすでにAlisports(中国の巨大オンラインショッピング企業Alibabaの一部)と共同で,9月5日にトルメキスタンで開催される第5回アジアインドアマーシャルアーツゲームと来年インドネシアで開催される第18回アジア競技大会にゲーム競技を含めるために作業している。

 公式声明によれば(参考URL),2022年の中国・杭州で第19回アジア競技大会では,「若者の間での,この新しい形態のスポーツへの参加の急速な発展と人気」を反映し,ゲームは正式種目となる予定だ。

 「アジアオリンピック評議会はずっとアジアのスポーツの伝統,発展そして改善を約束してきました」と会長の Ahmad Al Fahad Al Sabah氏は語る。「我々はスポーツイベントでのデジタルスポーツのコンセプトに関して,Alisportsとの協業に期待しています」

 アジア競技大会はオリンピックに次ぐ,世界第2の規模の多種目スポーツイベントであり,国際オリンピック委員会に認識されていると The Guardianは伝えている(参考URL)。直近では1万人の競技者が45か国から参加している。

 e-Sportsがこの地域でどれくらい人気があるかを考えると,e-Sportsがアジアの大規模スポーツイベントに含まれることに大きな驚きはない。しかし,ゲーム競技が正式種目として認識されていることには注目すべきだ。

 業界のリーダーの何人かは,これは避けられないことだと信じている。2012年を振り返ると,Riot Gamesの共同設立者であるBrandon Beck氏は,業界の一部にもっと努力を呼びかけたものの,彼が死ぬまでにe-Sportsはオリンピック種目になるだろうと主張していた(参考英文記事)。

 「開発の立場からしても財政的な立場からしても,彼らがe-Sportsに興奮しているだけでなく,実際にコミットメントを出したというのは非常に重要なことです」とそのとき氏はGamesIndustry.bizに語った。「これらのプレイヤーたちはプロアスリートになるという大きなコミットメントをしなくてはなりません。ですので,なにかに成長するための実行可能なキャリアパスが必要です」

 逆に言うと,12月に開催されたラウンドテーブルで英国e-Sports協会のCEOであるChester King氏はこのような認識はずっと実際的になるだろうと論争していた。King氏自身が昨年のリオオリンピックでe-Sports競技をアレンジしていたにも関わらず,氏はこれが正式種目として定着することはありえないと主張していた(参考英文記事)。

 「私は,今後オリンピックでe-Sportsを目にすることがあるとは思いません。なぜなら,どのタイトルを選びますか?」と氏は主張した。「商用製品の大作だけで35タイトル以上が挙がってくるかもしれません。サッカーはありません。ゴルフもありません。そして,もしオリンピックでCounter-Strikeの大会が行われたなら,彼らの売り上げは天井知らずになるでしょう」

 2022アジア競技大会ではいまだ特定のタイトルは確定していない。しかしながら,この9月に開かれるアジアインドアマーシャルアーツゲームスでは,国々は FIFA 2017のトーナメントを戦うことになる。同様に名前は明かされていないがMOBAと「リアルタイムアタック」ゲームの大会も行われる。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら