仏調査会社:第1世代のVRは前評判の期待に応えていない

フランスの調査会社IDATE DigiWorldは,モバイルVRはPC/コンソールにシェアで負けつつ2020年までに6000万台のVRヘッドセットが販売されると予測する。

 VRの未来はいまだ明るい。しかし短期的には予想よりも少し暗くなるかもしれない。IDATE DigiWorldは今月初めからいくつかの調査結果を発表しているが,これは11月のレポートによる予測だ。

 同社の人工現実レポートでは2016年のVRヘッドセットのインストールベースは390万台で,2017年末までに740万台に拡大すると見ている。

 「IDATE DigiWorldは,第1世代のVRヘッドセットは前評判ほど成功はしないだろうと考えています」と同社のゲーム部門長であるLaurent Michaud氏は語る。「全体に,売り上げは多くのオブザーバーが見積もっていたよりも低めになりがちです」

 固定式ヘッドセット(Vive/Rift/PSVR)の価格の高さはこの問題の中心的な部分だ。しかし低価格なソフトウェアもまた問題を抱えているとMichaud氏は語る。市場でのVR体験は伝統的なゲームの対応と比較すると,短時間で発展途上なものが多くあり,ユーザーはあまりお金を使わない。

 「しかしながら,できるだけ早くOculus Rift,HTC ViveそしてPlayStattion VRで新たなマーケットを開拓するために投資をしたいと考えているデベロッパからハイエンドゲームの一覧も現れ始めるようになってきました。AAAの体験を提供できるほとんどのパブリッシャは,コンテンツ開発に必要な数百万ユーロを少しずつ回収できるくらいにVRヘッドセットのインストールベースが増えるのを待っています」とMichaud氏は語った。

 11月時点では,IDATEは,VRコンテンツ収入の62%はモバイルマーケットからやってくるといっていた。しかし,固定式VRプラットフォームが提供する体験が優れているため,同社は,それらが「2020年までに市場価値を徐々に支配していく」と予測している。

 同社は2020年までに世界市場でのインストールベースは6000万台になり,北米とEMEA(ヨーロッパ,中東,アフリカ)地域でそれぞれ2000万世帯に装備されると主張している。このレポートは2020年における全世界のVRヘッドセット市場は130億ユーロ規模になり,VRゲーム市場は31億8000万ユーロ規模になるとしている。

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