[GDC 2017]もはや世界最大のゲームプラットフォームかもしれないGoogleの2017年展開

 北米時間2017年2月27日,米国サンフランシスコで開催されている世界最大のゲーム開発者会議「Game Developers Conference 2017」の初日に,Googleのスポンサードによるイベント「Google Developer Day」が行われた。ここでは,その基調講演の概要を中心にAndroidの新作ゲームやGoogleの取り組みについて紹介してみたい。

 最初に基調講演の壇上に立ったのは,同社のChief Game DesignerであるNoah Falstein氏だ。氏が昨年のトピックとして挙げたのは,「Pokemon GO」や「Star Wars Galaxy of Heroes」「Crash Royal」とGoogleがハードウェアに乗り出したこと――すなわちPixelとDaydream――だった。PixelはDaydreamに対応した最初の端末でもあり,今後はVR/ARアプリの充実が期待される。
 一連の発表の中で注目に値するのは,Googleが提供しているデータベースを中心としたサーバーサイドのアプリ作成基盤「Firebase」がC++とUnityに対応したと発表されたことだろうか。マルチプレイヤーのモバイルゲームの作成がさらに加速していくことが期待される。

 続いて,Paul Bankhead氏がPlay Storeの改善について語った。氏は,昨年はPlay Storeに3億人のユーザーが加わり,そのうち1億人は課金機能を使っていたと明かした。昨年はPlay Storeを最適化し,正しい人に正しいアプリを見つけやすくすることに注力してしたが,今年はダウンロードだけでなく,エンゲージまで持っていくことを重視するとのことである。

 会場ではそのためのStoreへの改善点がいくつか紹介された。大雑把に言えば,ゲームの評価や割引価格などをより分かりやすくするという方向になるようだ。新しい解説ページが第2四半期に導入される模様だ。

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 どのような仕上がりになるのかのチラ見せも行われた。ゲームプレイの様子をインラインビデオで見せたり,導入しているゲームの更新情報が表示されるようになったりで,これまで以上のエンゲージメントを狙うということのようだ。

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 続いて,GoogleのGame Strategy LeadのJamil Moledina氏から,Androidのヒット作の数々が紹介され,さらにゲームの展開について,Android用の新作ゲームを開発している各企業からのプレゼンが行われた。
 「今年はポケモン21周年に当たる重要な年」とのことで,最初に登壇したのはNiantic CEOのPhil Keslin氏だった。氏は,Nianticの創設の頃の話から最近までの流れをまとめ,最近投入された第2世代のポケモン達が投入されたPokemon GOのプロモーションビデオを上映した(すでに公開されているものと同じ)。Pokemon GOはいまや6億5000万インストールを超え,87億個のカラーボールが販売されたという。同社は今後も,驚きをもたらすようなゲームを開発していくとのこと。

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 そして完全新作がKabamから発表された。「Transformers Forged to Fight」はタイトルを見れば分かるように,トランスフォーマーを題材にした格闘ゲームだ。シリーズのキャラクターが登場し,格闘や武器,そして変形技で戦いを繰り広げる。本作は,現在事前登録受付中となっている。

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 さらにEpic Gamesからは「Battle Breakers」が紹介された。画面的にはHEXタイプなので戦略シミュレーションと言ってよいのだろうか? ゲームのタイプ的にはデッキを組むカードゲームに近いかもしれない。当然ながらUnreal Engine 4で制作されているゲームだが,キャラクターが(萌え系とまでは言わないが)ややアニメ調なのが意外な感じだ。演出のノリなどを含め,東洋での展開も意識した作品のように思われる。こちらも,現在事前登録受付中だ。

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 Netherrealm Studioからは現在開発中の「Injustice 2」の最新映像が紹介された。前作と同様にリアル調のアメコミヒーローが戦う格闘ゲームであるが,Unreal Engine 4で描かれたキャラクターはモバイルゲームとは思えない質感を有している。さらに装備のカスタマイズによって強くなるだけでなく見た目も変わってくるというやり込み要素の大きそうなゲームとなっている。

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 そのほか,VRゲームとしてUbisoftからやや不気味(?)なウサギたちが登場する「Virtual Rabbids -The Big Plan」やSpryfoxのサンドボックス系マルチプレイヤーゲーム「Beartopia」なども紹介された。いろんなものを作って交流できるBeartopiaは,個人的に期待大な一作だ。

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 そのほか,基調講演後のLightning Talkで紹介されたGoogleの新テクノロジー展開もついでにいくつか紹介しておこう。

 Jacquardは,服の袖に取り付けるタッチ型の入力デバイスだ。タップしたりこすったりなどのアクションでデバイスに操作を伝えることができる。服の側に,取り付け部分がマウントされていてデバイス自体は取り外し自在なので,洗濯なども問題なくできるだろう。今年中に発売される予定とのことで,第1弾はLevisのジャケットになるそうだ。

 Project Soliは,超小型のレーダーをセンサーとして使った入力機器で,たとえば指の動きを読んでジェスチャー入力を行ったり,さまざまな物質を見分けたりすることができるという。反射光のスペクトルからさまざまな化学物質の成分を分析するというデバイスを過去に紹介したことがあったが,たぶんそれの光がレーダー波になったものと考えていいのだろう。こちらは開発キットのβ版が今年中にリリースされる見込みだ。