CD Projekt REDやTechlandが,ポーランド政府から総額32億円の研究費を獲得

「ウィッチャー」シリーズの開発会社は,そのうちの700万ドル(8億3000万円)相当を獲得し,シームレスなマルチプレイヤーゲームや都市建設の要素を持つプロジェクトに利用されるという。

 ポーランドでも有数のゲーム企業が,同国内のゲーム産業を促進するための新たな文化促進イニシアチブとなるNational Center for Research of Developmentから多額のゲーム開発資金を獲得した。

 総額1億1600万ズウォティという付与金は,アメリカでは2740万ドル,イギリスで2200万ポンド,日本円にすると32億円に相当するもので,Techland,City Interactive,Bloober Team,Flying Wild Hogなどの名だたるメーカーが獲得している。その中でも,CD Projekt REDが最大規模の投資を受けるとWCCTech(参考URL)は報じている。

 「ウィッチャー3 ワイルドハント」で知られるCD Projekt REDは,審査を受けた四つのゲーム向け研究項目が採用され,合計で3000万ズウォティ(700万ドル/8億3000万円)を獲得しているほか,GoG.comも,主要なコンシューマ向けゲーム機やオペレーションシステム向けに,クロスプラットフォームのマルチプレイヤーコンポーネントを制作するためのプロジェクトが通過している。

 CD Projekt REDは,こうした付与金を,シームレスなマルチプレイヤーゲーム,映画的な表現,素晴らしいアニメーションといった要素を持つ新作ゲームに利用するとのことだが,さらには「AIや自動化の原理を利用した大規模なスケールの街作り」という要素を持っているようだ。実際には,こうした研究開発費からはどのようなゲームが生まれてくるのかは不明であるものの,都市建設やシームレスなマルチプレイヤーゲームといった機能でさえも,現在同社が開発中の「Cyberpunk 2077」で利用することはできるだろう。いずれにせよ,CD Projekt REDの作品としては初めてのマルチプレイヤーモード搭載ゲームが計画されているのは間違いないようだ。

 その一方で,「Dead Island」や「Dying Light」で知られるTechlandは,二つの研究開発についての付与金を獲得しており,一つは第1人称視点型のファンタジーRPGになるという。「Sniper: Ghost Warrior」シリーズのCity Interactiveは付与金をAIアルゴリズムの研究費用に,「Get Even」を開発中のThe Farm 51は,新作AR/VR向けのミリタリーシューティングと思われる,フォトリアルな3Dグラフィックスの開発に利用するという。

 CD Projekt REDやTechlandの奮闘により,ビデオゲームの開発はポーランドにとって非常に影響力のある産業として受け入れられつつあり,こうした政府からの付与金や奨励制度は,同国のゲーム産業の台頭をさらに強固なものにしていくはずだ。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら