HTC Viveの販売数は14万台以上と発表

この売り上げの少なさは,プレミアVRデバイスの立ち上げはゆっくりとしたものになることを示唆している。

 HTCはViveの販売台数が14万台以上になると主張している。
 この数字はTech Crunchが中国のVR専門サイト87870.comのニュースを取り上げたものだが,8月に遡るとHTC ChinaのVR部門リージョナルプレジデントを務めるAlvin Grayling氏は,10万台を販売したと述べていた。それが現在は14万台以上という数字でチェアマンのCher Wang氏から87870.comに告げられたわけだ。

 これはHTCの売上高が8月から9月にかけて40%上昇していることでも裏付けられる。アナリストは,この成長分は主にViveの売り上げによるものと分析している。
 この数字は,Viveで最も売れているゲームの売り上げともだいたい揃っている。「Raw Data」はHTCデバイスで独占的に供給されているSFシューティングゲームだが,VRタイトルとしては初めて1か月間で100万ドルの売り上げを生み出したことで知られている(関連英文記事)。Steam Spyのデータではその時点で約3万3000人が購入したとされており,開発元のSurviosによると少なくとも20%のViveユーザーがRaw Dataを購入したとのことである。そこから推定すると,Viveのユーザーベースは16万5000人ということになる。
 HTC Viveにとって,実際にはすべてのVRデバイスにとってもだが,厳しい売り上げの数字はここまでもってくるのも難しかっただろう。ことによると,商業製品が流通網に乗ったのもつい最近のことなのだろうから。Viveは今年3月に発売された。しかしHTC ViveとOculus Riftに付けられた高額の値札は(パワフルなPCのサポートが必要なことも言うまでもないが),初期の販売ポテンシャルを大きく制限していた。

 Steamハードウェアからのデータとソフトウェア調査からは(参考URL),VRユーザーのマーケットプレイス利用数が激減していることが示されている。同時に自称アーリーアダプタの人たちはすでに技術に対して投資済みであり,デバイスの価格が下がらない限りほとんど変化を期待できないことが示唆されている。

 とはいえ,VRの需要は明らかに依然として高い。今週(※先週)初めにソニーヨーロッパのプレジデントであるJim Ryan氏は,PlayStation VRの予約数が数十万に上っていたことを明らかにした(関連記事)。7月を振り返ると,FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏はSamsungのモバイル製品でもっと手ごろな価格となっているGear VRの月間アクティブユーザーが100万人を超えたことを発表している。

 結局のところ,14万台というのは合理的で,この導入価格にしては印象的な数字である。しかしHTCは疑いもなく,売り上げが民生用VR製品の興味と認知を拡大する起点となることを願っている。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら