「CEDEC AWARDS 2016」発表。特別賞にコーエーテクモの襟川氏

 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は,2016年8月24日から神奈川県・パシフィコ横浜で開催される予定の「CEDEC 2016」に先駆けて,「CEDEC AWARD 2016」を発表した。これは毎年日本国内のゲーム開発に貢献をした人を讃えるために開催されているもので,今回は特別賞と著述賞,そして各部門での優秀賞が発表された。
 特別賞にはコーエーテクモゲームズの襟川陽一氏が選出された。襟川氏といえば2014年に「信長」30周年を迎えたことも記憶に新しいが,初代信長の野望以前から歴史シュミレーションゲームを開発しており,このジャンルを確立したことが評価された。著述賞には雑誌「CGWORLD」が選出された。長年にわたりグラフィックス技術を啓蒙していたことが評価された。
 そのほかの部門の優秀賞は以下のリリースのとおり。これらの優秀賞受賞者の中からCEDEC期間中の8月25日,に最優秀賞が発表される。なお,最優秀賞は,今回発表された候補者から投票によって選出される。投票受付は8月24日19時までなので,投票をしたい人はCEDEC公式サイトに登録して,マイページから投票を行おう。
 
技術面からゲーム開発者の功績を称える「CEDEC AWARDS 2016」
特別賞は、ゲームの世界に歴史シミュレーションを根付かせた襟川陽一氏、
著述賞は、CG技術を幅広く取り扱う専門雑誌「CGWORLD」編集部に決定
技術4部門・計22の優秀賞を発表、 最優秀賞の投票を実施中


CEDEC 2016 テーマ: Now is the time !
会 期: 201 6年8月 24日(水) 〜26日(金)
会 場: パシフィコ横浜(横浜市・みなとみらい)

日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス 201 6 」(略称: CEDEC 201 6 、 CEDEC =セデック: Computer Entertainment Developers Conference) において開催する「CEDEC AWARDS」の201 6年の特別賞および著述賞を決定しました。
「CEDEC AWARDS」は、コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術にフォーカス
し、技術面から開発者の功績を称えるものです。

コンピュータエンターテインメント開発全般に貢献した方を表彰する「特別賞」は、 ビデオゲームの黎明期
『川中島の合戦』を生み出し現在も続く『信長の野望』、『三國志』シリーズなどにより、 ゲームの世界に歴史シミュレーションを根付かせた、襟川陽一氏(株式会社コーエーテクモホールディングス代表取締役社長) に決定しました。同氏は、 「シブサワ・コウ」の名前で、 ゲームプロデューサーとして今もなお歴史を題材にしたゲームを中心に制作を続ける一方、経営者としてゲーム業界とゲーム学術の発展にも尽力しています。
また、著述賞は、 コンピュータ・グラフィック(CG)技術を基本から応用まで幅広く取り扱う株式会社ボーンデジタル発行の専門雑誌「CGWORLD」編集部に決定しました。「CGWORLD」は、 実際の制作現場でのアーティス
ト、エンジニアへのインタビューシリーズ等多彩な視点による記事で構成され、雑誌メディアとしてプロに限らず幅広い読者へ向けて最新のCG技術を認知・普及させることに、長きに渡り貢献していることが、授賞理由となりました。
CEDEC AWARDS優秀賞は、いずれも斬新な技術でコンピュータエンターテインメントに新風を吹き込んだ功績を評するものです。昨年のCEDEC受講者アンケートで高評価を得た講演者と、 CEDEC 2016のセッションを選定するプログラムワーキンググループの各分野のプロデューサーとで組織する「CEDEC AWARDS 2016ノミネーション委員会」が、 「エンジニアリング」「ビジュアル・アーツ」「ゲームデザイン」「サウンド」の4部門で計22のグループまたは個人を「優秀賞授賞者」(最優秀賞ノミネート)に選考しました。(別紙参照)
これら各部門の優秀賞の中から、 CEDEC 201 6受講者、講演者およびCEDEC運営委員会の投票により、栄えある各部門の最優秀賞授賞者各1 組を決定し、 CEDEC 2016会期2日目の8月 25日(木) 17時50分より、 CEDEC2016会場内で発表・授賞式を行います。
優秀賞授賞者(最優秀賞授賞ノミネート)の詳細およびCEDEC AWARDSの実施概要は、 CEDEC 201 6公式Webサイト(URL http://cedec.cesa.or.jp/2016/event/awards.html ) をご覧ください。

「CEDEC」公式ウェブサイト http://cedec.cesa.or.jp/


CEDEC AWARDS 201 6 特別賞・著述賞

【特別賞】
受賞者 襟川陽一氏(えりかわ よういち)
株式会社コーエーテクモホールディングス代表取締役社長
授賞理由 ビデオゲームの黎明期に『川中島の合戦』を生み出し、現在も続く『信長の野望』、『三國志』シリーズなどにより歴史シミュレーションを根付かせた。ゲームプロデューサー「シブサワ・コウ」として今もなお歴史を題材にしたゲームを中心に制作を続ける一方、経営者としてゲーム業界とゲーム学術の発展にも尽力している。

【著述賞】
受 賞 『CGWORLD』編集部
発 行: 株式会社ボーンデジタル
授賞理由 CGWORLDは、コンピュータ・グラフィック(CG)技術を基本から応用まで広く取り扱い、実際の制作現場でのアーティスト、エンジニアへのインタビューシリーズ等多彩な視点による記事で構成され、雑誌メディアとしてプロに限らず幅広い読者へ向けて最新のCG技術を認知、普及させることに、長きに渡り貢献している。

襟川陽一氏
CGWORLD


CEDEC AWARDS 2016 優秀賞授賞者(最優秀賞ノミネート)一覧(敬称略)


【エンジニアリング部門】 ※昨年までのネットワーク部門はエンジニアリング部門と統合しました。
ネットワークゲーム開発の低コスト化を実現 「Photon Realtime」開発チーム(GMO クラウド株式会社)
業界全体のグラフィックスの向上に貢献 NVIDIA GameWorks(NVIDIA Corporation)
既存ゲームのクラウド配信普及への挑戦 Ubitus GameCloud 開発チーム(Ubitus)
Unity においてビジュアルノベルゲーム作成の民主化に大きく貢献 時村 良平氏(マッドネスラボ)
2D アニメーションの制作におけるデファクトスタンダード 「OPTPiX SpriteStudio」 開発チーム(WebTechnologyCorp.)

チャットとツールをつなぐことで開発を加速させる ChatOps文化の促進 「ChatWork」 開発チーム(ChatWork 株式会社)
オーサリングツールとして長らく業界に貢献 「Adobe Flash」開発チーム(Adobe)

【ビジュアル・アーツ部門】
ゲームをより楽しく演出するイカすビジュアルデザイン 「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂株式会社)
高速プリレンダリングワークフローが開く新たな境地 「THE GIFT」制作チーム(マーザ・アニメーションプラネット株式会社)
3D ゲーム開発民主化の立役者 「Unity Technologies Japan」開発チーム(Unity Technologies Japan)
孤高のイラストレーションアニメーション 「オーディンスフィア レイヴスラシル」開発チーム(開発:ヴァニラウェア 発売元:アトラス)
説得力の在るファンタジーの世界観を再現 「The Witcher 3: Wild Hunt」開発チーム(CD PROJEKT RED)

【ゲームデザイン部門】
日本人になじむ MOBA・ FPS の提案 「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂株式会社)
虚構の世界に浸る VR 「サマーレッスン」開発チーム(株式会社バンダイナムコエンターテインメント)
AI エージェントの未来が見える 女子高生 AI「りんな」(日本マイクロソフト株式会社)
誰もが楽しめる UGC 「スーパーマリオメーカー」開発チーム(任天堂株式会社)
プレイ時にカードとデータを生成する、デジタルカードのリアルアナログカード化
艦これアーケード(「艦これ」運営鎮守府/株式会社セガ・インタラクティブ)

【サウンド部門】
独自の音楽制作アプローチに加え、「シオカラーズ」ライブという新しいかたちのメディアミックス展開を実現 「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂株式会社)
ゲームサウンドのクオリティアップのための積極的な活動実績 祖堅 正慶氏(株式会社スクウェア・エニックス)
自然で違和感のないヴァーチャルリアリティサウンドと視覚、触覚との高度なインタラクションの実現「VR ZONE Project iCan」サウンド開発チーム(株式会社バンダイナムコスタジオ)
ミュージック・シーンのみならず、効果音ツールの分野も切り開いたバーチャルシンセ「Native Instruments Massive」開発チーム(NATIVE INSTRUMENTS)
「勇者ヤマダくん」における個性的なトータルサウンドデザイン 杉山 圭一氏(株式会社スタジオカリーブ)