プログラミング教育の未来はどうなる? 「教育ITソリューションEXPO」レポート

 2016年5月18日から20日までの間,東京ビッグサイトで「教育ITソリューションEXPO」が開催されている。ゲーム業界と直接関係はないのだが,2020年から小学校でのプログラミング教育が必修化されることに伴って注目が集まる分野でもある。将来的に学校でどのようなスキルが得られるようになるのか関心のある人もいるだろう。
 プログラミング教育必修化についてはまだ第1回の会合が開かれたばかりで,これから方向性を決めるという段階のようだ。今回集められているのは現在展開されているプログラミング関係の教材だが,会場を見渡す限り,ロボットなどの「動く系」のコンテンツが多かった。やはり小学生相手には結果が見える形のものがよいのではないかと会場の関係者は語っていた。

 ここでは次世代のIT教育に向けた「学びNEXT」会場の模様を写真中心で紹介してみたい。

リンクスインターナショナルが展示していた「Piper」は,RapsberryPiベースの電子耕作学習キットだ。RapsberryPiボード,電子回路キット+各種部品,ディスプレイ付きボックスなどがセットになっている。モバイルバッテリーで動作し,マウスを接続して各種捜査を行う。RapsberryPi上で「Minecraft」が動作し,ディスプレイ上でプレイできる。さらにMinecraft内で電子回路のシミュレーションが可能であり,ゲーム内で動作を確認してから実際の回路を組んでいくことができる
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主に中学向けの教材を扱っているという山崎情報システムでは,ペンで描いた線が導電性を持つのでシート上に回路パターンを描き,磁石で上から電子部品を固定していくという電子回路学習キットを展示していた。簡単な回路以外に,マイコンボードのオプションがあり,それを使った工作も可能
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回路の右下がマイコンボード。4入力と4出力を備えている
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そのマイコンボード用のビジュアルプログラミング環境は,なんとフローチャート式だった。現場にはBASIC世代の先生が多いので,フローチャートをつなぐ形式のシステムを制作したとのこと
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LEGOによる学習用ロボット組み立てキット「WeDo 2.0」。プログラミング環境は機能をドラッグ&ドロップで並べる形式だ
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アーテックは独自の「Artecブロック」を展開しているが,そのロボット組み立てキット「Robotics」などが展示されていた
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Roboticsのビジュアルプログラミング環境にはScratch風のものが用意されている
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HTC Viveを持ち込んでVR機器を紹介していたアスク。とくに教育向けのVRコンテンツが用意されているわけではないが,「The Blue」と「Tilt Brush」でVRの体験会を行っていた。現在,HTC日本では個人向けの販売しかしていないので,アスクが法人向けの取り扱いについて現在交渉中とのこと。VR用ワークステーションなどとの組み合わせで納入する形で提案したい考えだ
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ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンではUnity検定などをアピールしていた
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日本初公開(らしい)HPのSprout。ディスプレイ一体型PCをベースに上部のプロジェクタでタッチマット上に画像を映示できる。また3Dスキャナ機能も備えており,オプションで専用ターンテーブルも用意されている
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教育ITソリューションEXPO公式サイト